【大阪グルメ】総工費1億円以上をかけた人気ブッフェ「ナイト&デイ」のリニューアルとは?
モダンで人気が高い外資系ホテルのブッフェ
大阪で勢いがあるホテルのブッフェといえばどこを思い浮かべるでしょうか。
セント レジス ホテル 大阪「ル ドール」、インターコンチネンタルホテル大阪「NOKA」、マリオット都ホテル大阪「KOOKA」と、新しい外資系ホテルのモダンでスタイリッシュなブッフェを挙げる人が多いかと思います。
どれもとても人気が高く、非日常を楽しむのに相応しいホテルブッフェです。
ブッフェに力を入れる阪神阪急第一ホテルのグループ
元気があり、親しみ易いという意味で、勢いがあるといえば、私は真っ先に大阪新阪急ホテル「オリンピア」、ホテル阪急インターナショナル「ナイト&デイ」を挙げます。
両ホテルが属する阪急阪神第一ホテルグループがブッフェに力を入れていることは、よく知られています。新橋にある第一ホテル東京「エトワール」のブッフェも人気があり、2014年7月1日にリニューアルオープンしたばかりです。
リニューアルオープンしたナイト&デイ
その少し前の6月28日にリニューアルオープンしたのが、ナイト&デイでした。改装期間は2014年6月16日から27日の合計12日間とそれほど長くありませんが、総工費は実に1億1700万円にも上ります。
ナイト&デイは以前から評価が高く、私も選者を務めた2012年の日経新聞プラスワン「ランチを楽しめるホテルビュッフェ」で関西1位を獲得したほどでした。
このような人気店がどうして大々的にリニューアルを行うことになったのでしょうか。
本格的なブッフェレストランへ
広報チーフの今屋優子氏は「2年前にグランフロントがオープンする時からリニューアルの話は持ち上がっていた」と振り返り、「そのままでもお客さまにはご好評いただいていたが、時代に取り残されないように次のアクションを選択した」と、目まぐるしい速度で進化するブッフェのさらに先を行くためであったと説明します。
「ナイト&デイはもともとカフェレストランであり、これまではオリンピアで培ったブッフェのノウハウを生かして運営してきた」とブッフェに特化したレストランではなかったという弱点に言及し、「舌の肥えたお客さまによる高いご要望にお応えするため、本格的なブッフェレストランへと生まれ変わることを決断した」と事情を話します。
妥協なきリニューアル
大きなレストランの改装であるだけに、影響はなかったかを問われると、「工事の影響で隣接するバーやラウンジも一時的にクローズすることになった」と答えます。
しかし、続けて「ナイト&デイは、阪急ホテルグループのフラッグシップであるホテル阪急インターナショナルの1階にある。多くのお客さまに注目されるので、最高のブッフェレストランに生まれ変わらなければならない」として、リニューアルに妥協はなかったと補足します。
リニューアル後のナイト&デイをご紹介しましょう。
ドラマティックビュッフェ
今屋氏は「コンセプトはドラマティックビュッフェ。お客さまに様々な感動を体験していただきたい」と話します。
「劇場形の造りを生かして、檀上に実演を行うライブキッチンを設け、クオリティが高い一皿をご提供している」と流行の実演に力を入れたとし、「ディナーでは最初にファーストディッシュをお届けして、おもてなしの気持ちを感じていただきたい」と、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ「シェフズ ライブ キッチン」が導入して成功を収めたファーストディッシュを関西でも早々に導入したと言います。
女性のためにスイーツキッチン
他にもまだ実演はあるとして、「女性のお客さまに喜んでいただくため、スイーツキッチンを設けて、特別なデザートを目の前でお作りしている」と、料理だけではなくデザートもライブ感があると付け加えます。
子供向けブッフェコーナー
「これまで別料金をいただいていたソフトドリンクをが付くようになった。小さいお子さま向けに低いブッフェ台を設置して取り易くすると共に、お子さまが好むメニューを置くようにもした」と、サービスが向上したと説明します。
イルミネーション
「ディナーではイルミネーションが点灯して幻想的なムードを演出している。特にカップルやお子さま喜んでいただけるはず」と、エンターテイメント性を高めたと話します。
他にイルミネーションを行っているブッフェレストランを私は知りません。とても先進的な新しい試みであると言えるでしょう。
ゾーニングしたダイニング
「ダイニングエリアをゾーニングして、カップルシートやラウンドソファを新設した」と様々な用途に最適なテーブルを用意したとします。
ちなみに、阪急のイメージカラーである紫色はイスやランチョンマットなど、所々で使われています。
国産牛のビーフシチュー
たっぷりの赤ワインと香味野菜で国産牛のすね肉とバラ肉をじっくり煮込んでいます。ブッフェでは珍しい野菜、ロマネスコを添えています。
鮑と帆立貝柱のステーキ ブルゴーニュ風
鮑を使ったとても贅沢な料理で、バターと香草香るパン粉で焼き上げます。フランス料理の一皿として提供されるようなメニューです。
フォワグラと牛フィレステーキ ロッシーニ風 トリュフソース
高級料理の代名詞である、ロッシーニもブッフェで食べられます。牛フィレ肉とフォワグラにトリュフソースをかけており、食べ逃せません。
幸運の木馬
レストランのリニューアルにおいて、重要なことは何を変えて何を変えないのか、つまり、客に何を期待されているか、何を期待されていないのかを、考えることです。
これに対して、今屋氏は「ディナーブッフェの価値はどこにあるのか、どこに力を入れれば満足していただけるのかを必死で考えた。皿はもちろん、テーブルに置くキャンドルですら何種類も比べた」と議論を尽くしたと話しますが、「お客さまがこれで喜んでくださるのか、とても不安」であると、重要なレストランならではのプレッシャーが感じられます。
常務執行役員 総支配人の江山恭弘氏は「ナイト&デイは洗練されたラグジュアリーな空間に生まれ変わったが、入口に置かれている2頭の木馬は、そのまま残した」と述べ、理由を問うと「設置以来、従業員が丁寧に磨き、阪急グループは発展してきた。幸運の象徴として大切にしている」と感慨深く答えます。
ドラマティックビュッフェをコンセプトに掲げてリニューアルしたナイト&デイ。その店名通り、昼に夜に多くの感動を与えることができれば、これからもずっと幸運が続くはずではないでしょうか。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
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