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迷惑な支援物資はNO、勝手な親切心ではなく被災地のニーズに沿った支援を #専門家のまとめ

江口晋太朗編集者/リサーチャー/プロデューサー
(写真:ロイター/アフロ)

能登半島地震が発生して2週間が経ちました。

能登半島という土地柄と今回の被災状況から、移動手段が限定され道路の損害状況によって通常よりも移動に時間がかかる交通状況になっています。そのため、能登へ向かう道路は、災害復旧の関係者が日夜通行し、避難物資の提供や救援のための車両が行き交っています。

少しでも早い復旧と被災者が安心して生活できる環境づくりのため、限られた交通網を有効活用しながら、私たちができる支援の形を模索していくべきでしょう。

雪の降る季節、避難所での生活は心身共にストレスもたまっています。少しでも安心して日々を過ごせるための支援物資は欠かせません。

そんななか、被災地の避難所に賞味期限の切れた食品が届けられるなど、「迷惑な支援物資」が問題となっています。

自分たちが親切心だと思って届けた物資は、きちんと被災地のニーズにあったものか、今一度考えてみませんか?

▼一方的に送られた賞味期限切れの商品の廃棄は現場が担います。善意の支援が結果的に被災地を困らせることにもつながります

▼千羽鶴はありがた迷惑の代表格。被災地いらなかった物リストというハッシュタグも。過去の災害からの教訓を活かした支援と向き合おう

▼「本」は重くかさばり、被災地の限られた空間や人手を奪います。被災地の書店等の知の経済環境も守ることも大切な復興の一つです

▼支援物資で不足になりがちなものが女性用品関連。避難所における女性への配慮問題など女性が安心できる環境づくりも

私たちは阪神淡路大震災、東日本大震災など、これまで多くの震災を通じた教訓があるはずです。親切心という名の迷惑にならないよう、支援する側の振る舞いも今一度考えなくてはいけません。

被災した場所によって、必要な物資や必要な支援の形は多様で、ひとつとして同じような支援はありません。

いま私たちにできることは、義援金や支援金といった寄付を通じて、被災者の生活の糧や被災者のニーズをくみ取りながら迅速な支援活動を行う団体をサポートすることが、最も被災者にとって重要な支援につながります。

自治体においては、災害対策におけるあり方も常にアップデートを図っていかなくてはいけません。男性と女性が同じ空間で雑魚寝になるといった、避難所生活におけるルールや運用体制も阪神淡路大震災以降から大きくアップデートされていないという声もあがっています。女性や性的マイノリティ、障害者への配慮が行き届いた支援物資や避難所体制の構築も今後の課題にすべきでしょう。

地震が多い日本だからこそ、しっかりとした防災減災対策やいざ起きた際の対応についての予算を確保することが求められてきます。

編集者/リサーチャー/プロデューサー

編集者、リサーチャー、プロデューサー。TOKYObeta代表、自律協生社会を実現するための社会システム構築を目指して、リサーチやプロジェクトに関わる。 著書に『実践から学ぶ地方創生と地域金融』(学芸出版社)『孤立する都市、つながる街』(日本経済新聞社出版社)『日本のシビックエコノミー』(フィルムアート社)他。

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