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新たに設置される「防災監」とは?国や自治体による平時からの災害対策強化 #専門家のまとめ

江口晋太朗編集者/リサーチャー/プロデューサー
(写真:アフロ)

8月8日に宮崎県南部で最大震度6弱の地震が発生したことをきっかけに、制度が始まった2017年以降はじめて「南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意」が出されました。また、その後には現在進行中の大型の台風10号(サンサン)が九州・四国地方を中心に日本中に暴風や大雨をもたらしています。

連日の報道をきっかけに防災対策を改めて見直す人も多かったのではないでしょうか。自助による防災対策だけでなく、国や行政による防災・災害対策も体制強化が図られています。

ここでは、国や自治体、個人レベルでの防災対策に向けた動きについてまとめてみました。

ココがポイント

▼大規模地震をきっかけに、災害対策の改善として「防災監」のポストを国に設置し、平時からの災害対策の強化を目指す

・政府 災害対応の改善へ基本方針を決定 「防災監」の新設など(NHK WEB)

▼防災減災対策のための概算要求予算が前年度比18%増、流域治水や住宅の耐震化促進など事前の対策強化を図る

・国交省、概算要求7兆330億円 防災減災を軸に住宅の耐震化支援も(朝日新聞DIGITAL)

▼初の南海トラフ地震臨時情報の発令による課題が浮き彫りに。情報の周知徹底や日頃の防災対策の強化や再確認を

・行政分かれた対応、冷静過ぎる住民 南海トラフ臨時情報、理解に課題 呼びかけ終了(産経新聞)

▼南海トラフ地震臨時情報をきっかけに防災意識が高まる。防災グッズの見直しや簡易トイレを準備する人が急増

・「簡易トイレ」は5倍超に ふるさと納税、防災グッズの寄付急増(毎日新聞)

エキスパートの補足・見解

1月の能登半島地震や今回の宮崎の地震などの影響により、改めて南海トラフ地震の可能性を肌で感じた人も多いのではないでしょうか。気候変動や温暖化の影響などから台風の規模も大型化しやすくなっています。

昨今の災害状況を踏まえ、国は防災監の設置や防災減災対策の概算要求予算の増額といった平常時から災害対策を図るための体制強化を図ろうとしています。

災害対策は、個人や家庭が行う耐震化や防災グッズの準備といった「自助」、自治会や近隣コミュニティにおける防災対策の事前準備や、高齢者や障害者といった要配慮者へのフォローといった「共助」、そして国や自治体が行う防災減災対策やBCP対策と、それぞれの立場に応じた対策が必要です。

昨今では、防災対策も兼ね備えたまちづくりの取り組みも出てきています。耐震化といったハード面だけでなく、普段の近隣とのコミュニケーション、地域コミュニティづくりや、防災キャンプなど、楽しさや面白さも採り入れながら、自然と事前の災害対策ができるようなソフト面での仕掛けや取り組みが今後ますます求められそうです。

編集者/リサーチャー/プロデューサー

編集者、リサーチャー、プロデューサー。TOKYObeta代表、自律協生社会を実現するための社会システム構築を目指して、リサーチやプロジェクトに関わる。 著書に『実践から学ぶ地方創生と地域金融』(学芸出版社)『孤立する都市、つながる街』(日本経済新聞社出版社)『日本のシビックエコノミー』(フィルムアート社)他。

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