木枯らし1号はいつ? 北極は暖冬予想
WMO(世界気象機関)は6日、この冬の北極は平年と比べ気温が高くなるとの見通しを発表した。北極からの寒気が弱まり、日本はさらに暖冬になるのか?
初雪、木枯らし1号「冬の便り」遅れる
表紙の天気図は昨年(2017年)、東京地方で木枯らし1号が吹いた日の天気図です。東京地方の木枯らし1号は例年、11月5日頃ですが、今年はまだ吹く気配がありません。そして、北海道の初雪も遅れています。
今年は特別なのでしょうか。
調べてみると、2012年も同じような天気だったことに気がつきました。札幌の初雪は11月18日、平年と比べ21日遅れ、さらに旭川では最も遅い初雪となりました。東京地方の木枯らし1号もそのときです。
つい、冬の便りが遅くなればなるほど、冬も暖かくなりそうに思えますが、そうでもない。遅い初雪、木枯らし1号のあとは強烈な寒波がやってきて、今までの遅れを取り戻すような寒さに。自然は一筋縄ではいかないものです。
この冬、北極は暖冬に?
ぽかぽか陽気の立冬に、2年ぶりに発生したエルニーニョ現象、暖かい冬を示唆するような話題が続くなか、WMO(世界気象機関)は6日、この冬の北極は平年と比べ気温が高くなる可能性が高いと発表しました。とくに、北極地方のロシア中部と西部では70%の確率で気温が平年を上回ると予想しています。
北極が暖冬になると日本はどうなるのでしょう?
北極の気温が高くなれば、北半球を流れる偏西風が影響を受けます。偏西風は熱帯の暖かい空気を北に、北極の冷たい空気を南に移動させる働きをしていて、ひとことで言えば、地球規模で温度調節をしています。
つまり、「北極が暖冬=寒気が弱まる」という単純な構図ではなく、偏西風という大気の運動が変わることによる影響を考えます。
今後、日本列島に強い寒気が流れ込むのか。今のところ、明確なシグナルは見られないものの、暖冬になりやすいエルニーニョ現象が発生して、さらに北極の気温も高いとなれば・・・新たな主役の登場に目が離せません。
【参考資料】
WMO(世界気象機関):Pan-Arctic climate outlook forum forecasts above average winter temperatures,6 November 2018.