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強い寒気が到来 7日頃から日本海側で大雪のおそれ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
気象庁1か月予報(第2週目の気温予想)、ウェザーマップ作画、筆者加工

 きょう(1日)は滋賀県と岐阜県にまたがる標高1,377メートルの伊吹山で、平年より11日遅い初冠雪となりました。

 伊吹山といえば、積雪の日本記録11メートル82センチ(1927年2月14日)を思い出します。長く日本海を渡るあいだに、雪雲が発達するため、大雪が降るのです。

寒さ本格化の兆し

 長く続いていた暑さ・暖かさにブレーキがかかるようです。今後、強い寒気が流れ込み、冬型の気圧配置が強まるため、12月は全国的に寒くなる見通しです。

 寒気の様子を詳しくみると、5日(木)頃までは暖かい空気に覆われて、気温の高い日もありますが、その後は一転して、寒気が流れ込み、冬の寒さとなる見通しです。北陸から北の日本海側では大雪に注意してください。

【上空1,500メートル付近の気温予想図(850hPa気温偏差図)】上図は12/1~12/5の気温の予想、下図は12/8~12/12の気温の予想、ウェザーマップ作画、筆者加工
【上空1,500メートル付近の気温予想図(850hPa気温偏差図)】上図は12/1~12/5の気温の予想、下図は12/8~12/12の気温の予想、ウェザーマップ作画、筆者加工

 

 11月下旬以降、徐々に寒くなってきたとは言え、平年と比べると気温はまだ高く、暖かさに慣れている状況です。より寒く感じるかもしれません。

寒さの信頼度は高い

 天気予報は先になればなるほど外れやすい。長期的な予報は精度が大切です。

 予報の当たりやすさ、外れやすさを知る指標のひとつが高偏差確率です。アンサンブル予報で、平年より気温が高いと予測するメンバーが半分以上ある領域をプラス(+)で、低いと予測するメンバーが半数以上の領域をマイナス(-)で示した図です。

気象庁1か月予報資料より、青丸と言葉は筆者が加えた
気象庁1か月予報資料より、青丸と言葉は筆者が加えた

 上図は(かなり見にくいのですが)北極を中心とした北半球で、青線で囲ったところに日本列島があります。今月半ばにかけて、気温が低いと予測するメンバーが半数以上のマイナス(-)の領域が予想されています。

 高偏差確率は信頼度が高く、予報の大きな柱になっています。この図から日本付近は強い寒気に覆われる可能性が高いと判断できます。

 6日(金)~9日(月)は西日本の山間部を中心に、湿った雪が降るでしょう。遅れていた冬が一気に本格化しそうです。

10日間天気予報(1日17時予報)、ウェザーマップ作画
10日間天気予報(1日17時予報)、ウェザーマップ作画

【参考資料】

気象庁:1か月予報(11/30~12/29)、2024年11月28日発表

気象庁:2週間気温予報解説資料、2024年12月1日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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