Yahoo!ニュース

西日本で初雪ラッシュ 東京は雨なしの師走に

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
12月8日朝は西日本各地で初雪となった、ウェザーマップ作画、筆者加工

 今朝(8日)は金沢、松江、広島で初雪が降りました。記録的な暖かさが続いた影響で、金沢の初雪は平年より2週間遅くなりました。

 今後も断続的に強い寒気が流れ込む見通しで、20日(金)頃にかけて、寒さや大雪に注意が必要です。

 一方、太平洋側は乾燥した晴天が続くでしょう。東京は先月28日以降、雨が降っておらず、今後も雨は降らない見通しです。

寒さが続く理由

 寒気は大気の流れそのものです。対流圏の真ん中に位置する上空約5,000メートルは大気の流れを把握する代表的な高度です。風は等高度線に沿って、西から東に流れています。

 大気の流れの特徴に、南西風が卓越する「西谷(にしだに)」と北西風が卓越する「東谷(ひがしだに)」があります。

西谷と東谷の説明、ウェザーマップ作画、筆者加工
西谷と東谷の説明、ウェザーマップ作画、筆者加工

 簡単にまとめると、西谷の場合は南から暖かい空気が流れ込み、気温が高くなります。一方、東谷は北から冷たい空気が流れ込み、気温が低くなります。

20日頃まで「東谷」予想

 この先の予想をみてみると、16日(月)頃にかけては東谷が強く、全国的に寒さが厳しいでしょう。日本海側は大雪となる見通しです。

 ただ、その後は徐々に東谷から西谷に移るため、寒気はいったん弱まる可能性があります。北日本を中心に寒さが緩みそうです。

【500hPa高度偏差予想図】上図は12/12~12/16、下図は12/20~12/24、ウェザーマップ作画、筆者加工
【500hPa高度偏差予想図】上図は12/12~12/16、下図は12/20~12/24、ウェザーマップ作画、筆者加工

 

東京はクリスマスイブも晴れ

 もうひとつ、東谷の特徴として、太平洋側は晴れて、乾燥した天気となることがあります。

 こちらは東京の16日間天気予報ですが、24日(火)クリスマスイブにかけて、晴れの天気が続く予想となっています。

東京の16日間天気予報、ウェザーマップ作画
東京の16日間天気予報、ウェザーマップ作画

 

 もともと12月は一年でも雨が少ない月ですが、今年はそれ以上どころか、全く雨が降らないかもしれません。

 師走の慌ただしい時期、火の取り扱い、火事にはくれぐれもご注意ください。

【参考資料】

気象庁:2週間気温予報解説資料、2024年12月8日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

片山由紀子の最近の記事