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近江にスーパー1年生が2人も参戦! 西武・山田陽翔の後輩はいきなり3安打で4番デビュー飾る!

森本栄浩毎日放送アナウンサー
近江に新加入した吉田(左)と4番の箕浦(17番)はカンフル剤になるか(筆者撮影)

 春の大会は先述したように、夏のシード権獲得と新戦力の台頭が大きな注目点となる。センバツで打線が沈黙し、好投のエースを援護できなかった近江(滋賀)に、待望のスーパールーキーが2人も加入した。彼らが、夏に向けてのカンフル剤となりそうだ。

福井出身の吉田は選球眼と守備力

 前週の伊香との3回戦で、ひと足先に代打デビューした遊撃手の吉田大翼(だいすけ)は、玉川との準々決勝でスタメン1番を任された。初回に四球を選び出塁すると、3番・嶋村隆吾(3年)の適時打で先制のホームイン。この日は1安打を放ったが、3四球を選び、全4打席出塁の2得点で、1番としての役割を果たした。

吉田は伊香との試合で劣勢の終盤に代打起用。平凡な飛球だったが左翼手が見失い、同点打となった。「やはり何かを持っている」とは多賀監督。先日の智弁学園(奈良)との練習試合でも美技を連発した(筆者撮影)
吉田は伊香との試合で劣勢の終盤に代打起用。平凡な飛球だったが左翼手が見失い、同点打となった。「やはり何かを持っている」とは多賀監督。先日の智弁学園(奈良)との練習試合でも美技を連発した(筆者撮影)

 福井・永平寺シニアの出身で、U15日本代表として米国での国際試合も経験するなど、実績も十分。指導歴35年の大ベテラン・多賀章仁監督(64)は「選球眼もいいし、走塁もうまい。何より野球をよく知っている」と絶賛し、特に守備力の高さに期待する。

山田の後輩の箕浦は左右に打ち分ける

 その吉田に続いて、この日4番で鮮烈デビューを果たしたのが箕浦太士(たいし)。アットバット直前に吉田からアドバイスをもらう(タイトル写真)と、初球を左中間へ鮮やかに打ち返した。この日は打点こそなかったが、4打数3安打で左右に打ち分ける技術の高さを披露した。大津瀬田ボーイズの出身で、西武・山田陽翔の直系の後輩に当たる。

箕浦はシャープな振りで3安打の固め打ち。「スイングスピードがとにかく速い」と多賀監督も待望のスラッガー出現に大喜びで、夏の甲子園での4番デビューを見据える(筆者撮影)
箕浦はシャープな振りで3安打の固め打ち。「スイングスピードがとにかく速い」と多賀監督も待望のスラッガー出現に大喜びで、夏の甲子園での4番デビューを見据える(筆者撮影)

 182センチ85キロの恵まれた体は、とても入学直後とは思えないほどの風格がある。多賀監督も「4番らしい4番で、飛距離も十分」と話し、上々のデビューに満足そうだった。この日は左翼でフル出場だったが「肩はいいので」(多賀監督)、現在は三塁の守備練習にも取り組んでいる。

3人目のルーキーもデビューか?

 試合は玉川を8-0の7回コールドで圧倒し、夏の滋賀大会のシード権を確保した。スタメンは上記1年生だけでなく下級生中心で、センバツでもスタメンだったのは嶋村と二塁手の岡本一倖(3年)だけ。春季大会は試合ごとに選手を入れ替えられるため、準決勝の八幡商戦からは、まだ登板のないエースの西山恒誠や左腕の河越大輝、この日は代打待機だった主将の大石尚汰(いずれも3年)ら、主力選手も起用されそう。それでも「今のままなら夏も入ってくると思う」と多賀監督が話すように、両ルーキーを欠かせない戦力と考えている。さらに「まだ強肩の捕手もいる」と、多賀監督は3人目の1年生デビューも示唆した。6大会連続の夏の甲子園出場へ向け、近江が力強く歩み始めた。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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