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ロシア軍が再びクラスター弾搭載型のKh-101巡航ミサイルを使用か

JSF軍事/生き物ライター
ウクライナ国家緊急事態庁より回収されたロシア軍巡航ミサイルのクラスター子弾

 ウクライナを狙った8月18日のロシア軍の長距離ミサイル攻撃(過去記事)では飛来した合計16発のミサイル・ドローンうち巡航ミサイル3発は細かい種類は不明とされていました。

 北の国境から侵入して首都キーウを狙って来たので当初はイスカンデルK巡航ミサイル(カリブル系の地対地型)ではないかと思われていましたが、撃墜したミサイルの残骸から6月にも確認(過去記事)されているKh-101巡航ミサイル(空中発射型)のクラスター弾型と判明しています。

キーウの林業場でKh-101巡航ミサイルのクラスター子弾を回収

 ウクライナ国家緊急事態庁(ДСНС、DSNS)が約60個のクラスター子弾を回収しています。球形のクラスター子弾の不発弾が木の幹にめり込んでいます。

 形状は以前に使用されたKh-101巡航ミサイル搭載型のクラスター子弾と同一で、他に近い形状の物はKh-59MK2空対地ミサイルのクラスター弾頭型にもよく似ています。しかしKh-59MK2は射程があまり長くないので、キーウの発見位置からKh-101巡航ミサイルが親弾である可能性が高いでしょう。

 今回は6月の発見時と異なりKh-101の親弾の残骸が見付かっていませんが、他のカリブル系(イスカンデルK含む)の長距離巡航ミサイルではクラスター弾型はまだ報告されていないので、暫定的にKh-101が親弾であるという報告になります。イスカンデルM弾道ミサイルも射程は届きますがクラスター弾頭型の子弾は球形のものではないので除外されます。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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