ロシア軍が巡航ミサイルにクラスター子弾を搭載
ロシア軍はウクライナを攻撃する巡航ミサイルの火力強化を図っており、搭載燃料の減少と引き換えに弾頭重量を倍増する改造を行っています。2024年3月末に初めて確認されたKh-101巡航ミサイルの残骸からは同じ弾頭が二つ搭載されているという、単純ですが新規開発の設計の手間が掛からない派生型が登場しました。そして次にクラスター弾頭型が登場しました。
6月12日、ウクライナ国家警察は首都キーウ周辺でクラスター子弾を散布するKh-101巡航ミサイルの残骸を回収しています。残骸が回収された位置はキーウ南西のヴァスィリキウ航空基地の付近で、ロシア国境から240km、ベラルーシ国境から120kmです。出典:ウクライナ国家警察
なお同日にはKh-101巡航ミサイルが4発飛来し全て撃墜したとウクライナ空軍司令部は報告しています。出典:ウクライナ空軍司令部
発見されたクラスター子弾は対人・非装甲用のボール型で外殻に調整破片のベアリングが埋め込まれています。ロシア製クラスター子弾でボール型の代表には「ШОАБ-0,5(ShOAB-0.5)」がありますが、今回発見されたクラスター子弾にはShOAB-0.5にはある空力回転用の浅いフィンが付いていません。過去に確認されていないクラスター子弾の可能性があります。
Kh-101巡航ミサイルがクラスター弾頭化した場合、もし二重弾頭型をベースとした場合、片方のみをクラスター弾頭とすることが可能です。つまりクラスター子弾を散布した後に旋回して戻って来て残った単弾頭で突入するという、1つのミサイルで2回攻撃を行うことも可能かもしれません。