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選手が自ら望んで球団に「解雇」してもらう理由。球団から解雇されるのではなく

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・ハリソン(左)とマイク・トックマン Jul 20, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月21日、フィラデルフィア・フィリーズは、ジョシュ・ハリソンの解雇を発表した。ハリソンは「解雇された」のではない。自身を解雇してくれるよう、ハリソンがフィリーズに求め、それが受け入れられた。「契約の解除」と表現するべきかもしれない。

 ハリソンは33歳の内野手だ。過去2年は故障が相次ぎ、打撃も低迷したものの、それまではピッツバーグ・パイレーツで4年続けて110試合以上に出場し、2014年と2017年はオールスター・ゲームに選出された。また、ハリソンは内野だけなく外野も守れる。

 ただ、マイナーリーグ契約でフィリーズに入団した(再契約を含む)ユーティリティ内野手の候補は、ハリソンだけではなかった。T.J.リベラローガン・フォーサイスは、それぞれ5月29日と7月18日に解雇されたが、フォーサイスの解雇と同じ日、ニール・ウォーカーは開幕ロースター入りが決まった。この時点でも、ハリソンがロースターに入る可能性は皆無ではなかったものの、フィリーズにはフィル・ゴスリンロナルド・トレイエスもいる。

 ハリソンとしては、このままフィリーズに残るよりも、FAとなり、他球団と新たな契約を結んだ方がチャンスあり、と判断したのだろう。こういった選択は、ハリソンに限ったことではない。

 これからハリソンが契約を得られるとは限らず、まだ動きは見えてこない。だが、MLBネットワークのジョン・ヘイマンは、昨オフにハリソンがフィリーズと契約する前に「マイナーリーグ契約ではあるものの、5球団がハリソンに興味を持っている」とツイートしていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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