「Retty」の「TOP USER(トップユーザー)」リリースと「食べログ」広告優先の検索結果問題
「食べログ」検索結果の表示問題
ここ最近、ウェブのグルメ業界では、大手口コミサイト「食べログ」の検索結果の表示を巡って一悶着ありましたが、「食べログ」標準検索に「広告優先」と明記されることになって落ち着いてきました。
その間に、ライバルとされている「Retty」が、2016年9月29日に「TOP USER(トップユーザー)」をリリースしています。
「Retty」の「TOP USER(トップユーザー)」
「食べログ「グルメ著名人」はRettyを超えるのか、食べログをダメにするのか」で触れたように、「食べログ」も「Retty」も基本的には一般ユーザーによる投稿で成り立っているサービスですが、ある程度のところまで成長してからは、著名人を使ってさらにユーザ数を増やすという戦略も取り始めました。
「Retty」は冒頭で述べた通り、2016年9月29日に、私も役割を担っていた「グルメ著名人」、および、「Retty」公認の「オフィシャルユーザー」が終了して「TOP USER」へ統一されることとなりました。私は「フレンチ」「ビュッフェ」のジャンルで「TOP USER」となり、「Pro」という表記が付与されています。
「TOP USER」とは
では、「TOP USER」とはどういったものでしょうか。
「Retty」の「TOP USER」のページには以下のように説明されています。
トップユーザーとは
選ばれたエリアやジャンルのグルメ情報に特化していると判断されたユーザーを、他のユーザー様からの参考になっている度合いなどを考慮したRetty独自の基準で自動的に選出しています。
一度選出されても、更新時期にこちらの定めるトップユーザーの基準に達していないと判断した場合は認定を取り消す場合がございます。
誠に恐れ入りますが、詳細な基準については公表しておりません。ご了承ください。
以上のように、特定のエリアやジャンルの領域で、それが詳しいと「Retty」が選出したユーザーを「TOP USER」として認定しています。
単に、投稿数や他のユーザーからの「いいね」数や「行きたい」数による評価だけではなく、「Retty」による独自の判断が加わっていますが、以前の「グルメ著名人」に比べれば、一般ユーザーの中から選出しているので(私も利用しているという観点では一般ユーザーです)、友達のつながりからお店を探すという、「Retty」本来のあり方に近いと言えるでしょう。
ジャンル
どのようなジャンルが選ばれているのでしょうか。
- 居酒屋 2人
- ラーメン 1人
- イタリアン 2人
- 焼肉 1人
- スイーツ 1人
- カレー 1人
- そば 1人
- 焼き鳥 2人
- フレンチ 1人
- 寿司 1人
- ハンバーガー 1人
- タイ料理 1人
- カフェ 2人
- ビュッフェ 1人
- 日本料理 1人
「Retty」は現在100を超えるジャンル数を扱っていますが、その中でも特に人気となっている15ジャンルにだけ絞り、「TOP USER」を選出しています。ジャンルによって1人が選出されている場合と、2人が選出されている場合があります。特に人気が高かったり、カジュアルで大衆向けだったりする業態で、2人が選出されているかといえば、そうでもないようです。
「Retty」が扱っており、かつ、「TOP USER」が選出されていないジャンルの中で「中華」は必須だと思いますが、他にも「回転寿司」「うどん」「スペイン料理」「しゃぶしゃぶ・すき焼き」「パン屋」もあれば、さらに「TOP USER」の層が厚くなってよいと思います。
エリア
どういったエリアが取り上げられているのでしょうか。
- 渋谷 1人
- 新橋 1人
- 表参道 1人
- 銀座 1人
- 麻布十番 1人
- 目黒 1人
- 中野 1人
- 三軒茶屋 1人
- 荻窪 1人
- 福岡 2人
- 名古屋 1人
- 札幌 1人
- 築地 1人
- 大阪ミナミ 1人
エリアの場合、「TOP USER」はほとんど1人ですが、福岡だけが2人となっています。「Retty」の中でも中心として扱っている「恵比寿」「代官山」「新宿」「浅草」といったエリアがないのは、該当するユーザーがいなかったからでしょうか。
ジャンルとは違って、エリアはいくらでも増やせるので難しいところですが、もう少し拡充した方がよいのかも知れません。
「Retty」の立ち位置
「Retty」のキャッチコピーは以下のようになっています。
実名口コミNo.1
お店探しはグルメな
あの人から
サービスの説明は以下の通りです。
Rettyはグルメなあの人のおすすめからレストランを探せる新しいグルメサービス。あなたの友達や嗜好の合う人を介して美味しいお店との出会いを体験しましょう。
以上のように、「Retty」は実名の人とのつながりによってお店を探すサービスです。
それだけに、これまで「グルメ著名人」や「オフィシャルユーザー」を採用しながらも、やや立ち位置を模索していたかのように見えた「Retty」が、「TOP USER」への一元化によって、やはり一般ユーザーを中心にしてサービスを展開するということが改めて示されたことは、同じ時期に「食べログ」の検索結果表示の件があっただけに、大きな分水嶺になるのではないかと思っています。