グアム島付近で熱帯低気圧が復活 今後台風として沖縄方面を指向するおそれも
再解析された熱帯低気圧
先週から前線に伴う広い範囲での大雨が続いていますが、ここでは最新の熱帯低気圧情報をお伝えします。
ちょうど1週間前の今月10日(火)、日付変更線を東から西へ横切るように西経域から東経域に入ってきた熱帯低気圧は、その後台風へ発達すると見込まれたため、気象庁からおととい15日(日)午前9時に、台風へ発達する熱帯低気圧の情報として発表されました。
しかし、その後は予想通りに発達しなかったため、1日経ったきのう16日(月)午前9時には、台風へ発達する情報が取り消され、しかもきのうの午後3時の天気図上では熱帯低気圧(TDマーク)すら解析されずに、天気図上では完全に消滅した状態となっていました。
ところがタイトル画像にある通り、きょう17日(火)になってから弱まっていた熱帯低気圧周辺の雲域が再び発達傾向を示し、真っ白に見える活発な積乱雲も発生している状態で、気象庁はきょう午前9時の天気図上で、グアム島付近に再び熱帯低気圧を解析してきました。熱帯低気圧の復活です。
フィリピンなどの陸地を通過した際、弱まった熱帯低気圧や台風が復活することはありますが、グアム島近海での復活劇はあまり記憶にありません。というよりは、そもそもこの位置で今の時期に熱帯低気圧が弱まってしまうこと自体があまりないと言えるかもしれません。
今のところ、復活した熱帯低気圧に関して、気象庁からは台風へ発達する見込みなどの情報は出されていませんが、このあと一度取り消された情報が再び出される可能性もあり得る状態だと思います。
JTWCの予想では台風として沖縄方面を指向
あくまでも参考情報ですが、JTWC(米軍合同台風警報センター)の発表では、今後徐々に発達しながら西から北西方向へ進み、あさって19日(木)には台風の勢力に強まり、22日(日)午前9時には石垣島の南海上へ到達する予想です。
この時点でのおおよその最大瞬間風速は45メートルを予想しており、日本の定義で言えば、強い台風一歩手前の勢力と言える状態です。
熱帯擾乱(ねったいじょうらん)自体の大きさは、比較的コンパクトなサイズではありますが、もしこの予想通りとなるならば、先島諸島に大きな影響が出かねないコースと言えます。
北上は太平洋高気圧がブロックか?
本州付近では前線による大雨が続いていますし、こんなところに熱帯擾乱(熱帯低気圧や台風)がやってきたらさらなる大雨が懸念されるところですが、週末にかけては、この熱帯擾乱の行く手を遮るように東シナ海で太平洋高気圧が強まる予想です。
熱帯擾乱は太平洋高気圧を突き抜けて北上することは困難なため、多くの計算では先島諸島付近から台湾方面への進路を計算しています。
ただ予想通りに太平洋高気圧が強まらない場合など、一部には沖縄方面から東シナ海を北上する計算も散見されますので、今後気象庁から発表される可能性がある熱帯低気圧情報と合わせて、その進路にもご注意下さい。