佐賀県嬉野１０００ミリ超の豪雨、東京都心も２００ミリ超

長崎、佐賀、福岡、広島に出されていた大雨特別警報は、きょう１５日（日）午前６時１０分、大雨警報に切り替わりました。

今回の前線に伴う大雨の特徴は、長い時間、広い範囲で降っていることがまず第一に挙げられますが、一連の雨が降り出した１１日（水）からの９６時間降水量を示したものが上図です。

特別警報の出された佐賀県嬉野では１０１６．５ミリと１０００ミリを超え、８月の平年値２７７．７ミリの４倍近いまさに過去に例のない記録的な豪雨となりました。

また長崎県雲仙岳９２９．０ミリ、福岡県大牟田８５２．０ミリ、長野県御嶽山６１３．０ミリ、静岡県御殿場５１９．５ミリ、広島県三入５０２．５ミリと記録的な大雨となったのをはじめ、東京都心でも２１０．５ミリと２００ミリ以上に達しています。

いったん峠越える

長い時間、西日本の日本海沿岸に停滞していた前線は昨夜からゆっくりと南下し、太平洋側に移動してきたため、九州北部や広島県などでは雨が止み、一連の大雨はいったん峠を越えてきました。

とはいえ、東海や関東などを中心に、まだ非常に激しい雨の降っている所もありますし、大雨の降り止んだ所でも、引き続き、土砂災害や川の増水、氾濫の危険度が非常に高い所がありますので、油断は出来ません。

またあす１６日（月）になると、再び前線が西から北上するため、九州北部などでも、再び激しい雨が降り、線状降水帯発生のリスクが高まるおそれがあります。前線は今週１９日（木）頃まで居座り続ける見込みで、さらなる大雨のおそれがありますので、厳重な警戒が必要です。

引き続き、気象庁の防災情報やキキクル、また避難情報などをこまめにチェックするようにして下さい。

新たな台風が発生する予想

熱帯低気圧情報（気象庁発表）

タイトル画像にある通り、日本のはるか南東の海上に熱帯低気圧に伴う雲の塊があります。この雲はもともと日付変更線（東経１８０度）より東の西経域にあったものが東経域に進んできたもので、衰弱してしまう予想もあったのですが、今のところ、やや発達傾向を示しながら西進中です。

そして気象庁によると、この熱帯低気圧は今後も発達を続けながら西進し、今後２４時間以内に台風へ変わる見込みとの情報がきょう１５日（日）午前１０時過ぎに発表されました。発生すれば台風１２号となります。

新たな台風は徐々に発達しながら西よりに進み、２０日（金）にはフィリピンの東で、中心気圧９８５ｈＰａ、最大風速３５メートル、最大瞬間風速５０メートルの強い勢力へ発達する見込みです。

まだ２０日（金）午前９時の予報円は直径が１４００キロとかなり大きいものの、北側へ進んで来れば、沖縄に影響し始める可能性もありそうです。

台風へ発達を見込む計算が増加中

こちらはあくまでも参考ですが、JTWC（米軍合同台風警報センター）の発表でも、この熱帯低気圧は、あさって１７日（火）にかけて、台風の勢力に発達しながらグアム島付近を通過し、２０日（金）にはフィリピンの東で最大風速約４０メートル、最大瞬間風速約４５メートルの日本で言えば、強い台風クラスに発達する予想です。

台風自体は比較的コンパクトなサイズではあるものの、西進しながら、しっかりとした台風の勢力に強まる予想です。

週末にかけての動きは太平洋高気圧次第

新たに発生する台風の２０日（金）以降の進路の決め手になるものは、時を同じくして日本付近で強まる太平洋高気圧の動向によると思われます。

今のところ、かなり勢力が強まり、沖縄付近にも張り出すため、この高気圧にブロックされて、新たな台風は台湾方面を指向する計算が多いのですが、なかにはこの太平洋高気圧のすきをついて、沖縄方面を北上し、東シナ海へ入ってくる計算もありますので、今後の最新情報にご注意下さい。