新たな熱帯低気圧は長距離移動し、お盆明けに日本の南へ到達も?
新たな熱帯低気圧が発生中
2つの台風(9号と10号)が日本付近を通り過ぎるとともに、新たな熱帯低気圧が発生しました。タイトル画像をみると、日本のはるか南東海上、かなり離れた所に雲の塊がありますが、これがきのう10日(火)午後3時に発生した熱帯低気圧です。
もともと雲の塊自体はもっと東の西経域にありましたが、ゆっくりと西寄りに進んできて、東経域に入った所で、熱帯低気圧と解析されました。
通常、この位置からはすぐに北寄りに進んで、日本にはほとんど影響が出ないパターンや、西寄りに長距離移動をし、長時間かけてフィリピンや日本に向かってくるパターンなどがありますが、今回は後者のパターンで、来週のお盆明け頃に、フィリピンの東や日本の南に到達を見込む計算が比較的多くなっています。
とはいえ、熱帯低気圧自体が小さいため、ほとんど発達しない、あるいは西寄りに進みながら消滅してしまう計算もあるのですが、1週間から10日後には要注意な存在となっている可能性もあります。
そしてこれよりもっと早く、今週末にかけて要注意なのが、上図日本付近に大陸から伸びてくる秋雨前線です。南から非常に湿った空気が流れ込むため、まるで梅雨前線のような性質となり、西日本を中心に、長時間、多量の雨をもたらすおそれがあります。
長丁場の大雨に厳重警戒
雨雲の様子をみると、すでに九州では雨脚の強まっている所もありますが、これは少々悪い言い方をすると、長丁場の大雨の幕開けと言ってもいいのかもしれません。
秋雨前線が本州付近に停滞するため、今後数日間から長ければ1週間以上も西日本を中心に断続的な大雨に見舞われるおそれがあります。
あす12日(木)朝までに予想される24時間の降水量は、九州の多い所で200ミリとなっており、その後あさって13日(金)朝までに、同じく九州の多い所で300ミリ、中国地方で150ミリなどとなっています。
計算上は700ミリ以上も
あくまでもコンピュータの計算上ですが、14日(土)にかけて、72時間の降水量が九州の熊本県や鹿児島県を中心に、多い所で400ミリ以上の計算となっており、熊本県の山沿いでは700ミリ以上の計算となっている所もあります。さらに東へ目を向けると、岐阜県の山沿いでも400ミリ以上の所がある計算です。
秋雨前線の位置や活動度によっては、大雨の範囲がずれたり、これ以上の大雨に見舞われるおそれもあるため、気象庁の危険度分布(キキクル)や防災情報を常にチェックし、自治体から避難情報が出た際は、早め早めの避難を心がけて下さい。
またもし避難情報が発表されていない場合でも、山や崖の近く、あるいは河川の近くにお住まいの方は、なるべく安全な場所で過ごすようにしていただきたいと思います。