両陛下が訪問された「北海道」 実は雅子さまにとって「ハーバード大学時代」の恩師ゆかりの地だった
今月16日から17日、天皇皇后両陛下は「全国豊かな海づくり大会」の式典に出席するため、秋の気配が色濃く漂う北海道を訪問された。両陛下が揃って北海道を訪問されるのは、24年ぶりとのこと。
北の大地の雄大な風景の中には、実は両陛下にとって忘れられない思い出が刻まれていた。
◆息を切らして登った羅臼岳の思い出
結婚してから陛下の趣味である登山を、雅子さまもご一緒に楽しむようになっていたことから、平成6年9月にはヒグマの生息地として有名な知床連山の羅臼岳を登られた。
平成17年に世界自然遺産に登録された知床半島の、ほぼ中央にそびえる知床火山群の主峰・羅臼岳は、標高1,661m。日本百名山はもちろんのこと、花の百名山や新・花の百名山にも選定され、全国の登山家からいつか登りたい山として人気を博している。
当時、両陛下が羅臼岳を登られた時の映像を見ると、いつもは健脚でスイスイ登られる陛下が、常に雅子さまを気遣われて、緩やかなスピードであることが分かる。
険しい山道の急斜面やゴツゴツとした大きな岩も多く、片道だけで5時間半の道のり。決して楽なコースではなかったが、お二人は仲良く声を掛け合って山頂に到着された。
頂上では知床連山を一望のもとに見渡すことができ、北方領土の国後島も見ることができるという。
この時は天気がいまひとつであったが、お二人の顔には達成感を漂わせる笑顔がこぼれていらっしゃった。
◆初めて体験したクロスカントリースキー
平成11年には、両陛下は国民体育大会冬季大会スキー競技会の開会式に出席するため、北海道小樽市を訪問された。その際、一日だけプライベートの時間を組み込み、お二人で「クロスカントリースキー」に挑戦されたのである。
「クロスカントリースキー」は“雪上のマラソン”と呼ばれ、アップダウンのある野山にスキー板を滑らせて走り抜ける競技だ。距離にもよるが、かなりの体力が必要とされる。陛下も雅子さまも子どもの頃からスキーを嗜んでこられただけに、脚力に不足はなかったようだ。
この時のことを、雅子さまは記者会見で以下のように話されている。
「クロスカントリースキーを習うのは初めてのことでしたけれども、林の木立の中で木漏れ日を浴びながら滑るというのは、とても気持ちよく大変楽しい時間を過ごすことができました」(平成11年、雅子さまお誕生日に際しての記者会見)
北海道の大自然の中にお二人で身を委ね、ゴールすることは大変でも、お互いに協力し合って大きな充実感を得る機会となられたことだろう。北海道はそうしたお二人の絆を深める場所でもあったのだ。
◆雅子さまにとって北海道は特別な地
両陛下のご婚約内定記者会見が行われる少し前の、平成5年1月。雅子さまはプライベートで北海道へ旅行されていた。
実は北海道には、ハーバード大学時代から交流のある恩師とも言える方が住んでいたのだ。その方は、ハーバード大学の客員教授だった書家の小川東洲先生。
東洲先生と雅子さまが出会ったのは、ハーバード大学のキャンパスだった。事前に元駐日アメリカ大使のライシャワーさんの妻・ハル夫人から、「小和田駐米公使(当時)には、雅子さんという聡明なお嬢さんがいらっしゃるのですよ」と耳にしていたことから、東洲先生は「聞いていた通り、聡明な方だ」と感じたとか。
以来、日本の「和の心」を「書」を通して教えていた東洲先生は、学生だった雅子さまと交流し、国際社会の中で日本人としてどうあるべきか、語っていたという。
それから月日を重ね、北海道に暮していた東洲先生のもとを雅子さまが訪問されたのは、陛下とのご婚約の報告だったのだろう。久しぶりの再会を喜び、その夜、東洲先生夫妻とともに出掛けたお店で、雅子さまがカラオケで歌われたのは「いい日旅立ち」であった。
残念ながら小川東洲先生は、昨年9月、94歳で天寿を全うされた。今回、雅子さまが久しぶりに北海道を訪問され、その豊かな大地に佇んだ時、小川東洲先生の思い出が蘇られたのではないだろうか。
「佳子さまはなぜ『手話のみでスピーチ』されたのか 背景と進化とは」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/68cc1150a64628b2c9c45f8695e99190b8be4001
「悠仁さま17歳に 秋篠宮さまと親しいジャーナリストが語る『進学問題』『父子の関係』『今後の課題』とは」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/805b43f3a7d3961d0896dfd4c087be7e4cb1d5e0