豪雨とダム放流でキャンプ道具一式が流されそうになった話
あなたは、キャンプ道具を放置して「避難」することができますか?
夏のキャンプでは熱中症や害虫対策の他に、豪雨時の危機管理が欠かせません。
キャンプ場は森の中や川の周辺などに多く、大雨が降ると増水や土砂崩れの危険性が高まります。
また、夏は台風のように事前に発生することが予想できる場合だけではなく、短時間で局地的な豪雨を記録する「ゲリラ豪雨」発生する場合があります。
今回は、予期せぬ豪雨によってキャンプ場から、緊急で避難することになった時の経験について紹介します。
いつも通りの雨キャンプ
利用したのは、川辺の無料キャンプ場でした。
天気予報は雨ということで、底面が防水素材でできているフルフラットハンモック ローソンハンモックとフライシート、タープなど用意しました。
当日朝の天気予報では1時間当たりの降雨量が1ミリと、特別大雨が降るといった予報ではありませんでしたが、念のため、川からは少し離れた場所に設営しました。
深夜に突如強く降り出した雨
異変を感じたのは、深夜でした。
あまりに激しく雨が降り出し、目が覚めます。
しかし、ハンモックは浮いているし、底面部分も天井も防水素材でできているので安心しきっていました。
警察官からの避難指示
ウトウトしている最中、キャンプ場に訪れた警察官から「ダムの放流をおこなうので、高台に避難するように」と指示がありました。
ハンモックの中でくつろいでいた私は突如現れた警察官と避難指示に戸惑いながらも、キャンプ道具をそのままに車で高台へ避難しました。
それから程なくして、川岸のスピーカーから「ダム放流をおこなった」という情報が伝達されました。
その後、朝になるまで車内で過ごし、河川の様子や設営の場所が浸水していないこと、河川情報を確認し、翌朝のお昼ごろキャンプ道具の撤収作業をおこないました。
予想外のゲリラ豪雨
後日、キャンプ場がある市町村の降雨記録を確認すると、一時間あたり20ミリを超える量の降水量が記録されていました。
これまでに大雨の際利用した日も、避難指示が出た経験はなかったので、いつも通りに、翌日の予報にある晴れ間を狙って撤収しようと考えていました。
今回の反省点
予報になかった豪雨という、予想できない出来事がありました。
しかし、河川上流部のダムの貯水率を確認していれば、避難指示が出される前に自分で避難すべきであると判断することができます。
河川が増水する理由は豪雨だけではない
各地の河川国道事務所ホームページでは、観測所の水位を確認したり、ライブカメラでダムの様子を確認することができます。
キャンプ場付近の増水ということに対して意識はしていましたが、ダムの放水など上流の様子を含めた意識は乏しかったように思います。
川辺のキャンプ場を利用する場合は、天気予報のみならず、上流のダムの状況も鑑みた行動が重要です。
河川の情報を伝達する放送
今回、スピーカーでは放水後に音声放送がありましたが、サイレンの放送や巡視をおこない警告するといった場合もあるようです。
※河川事務所や県などのHPを確認しましたが、放水の状況によって対応が異なるようです。
雨が激しく降っていると音も聞こえにくくなるので、スピーカーの情報はもちろん、自分で情報収集をおこなうべきでしょう。
ダムの放水は、頻繁におこなわれるものではありませんが、夏のキャンプやアウトドアでは注意しなければいけません。
夏キャンプを安全に楽しむ
何度も雨のキャンプを経験していると、つい気が緩んでしまうことがあるかもしれません。
しかし、思っているよりも簡単に河川は増水してしまいます。
そして、万が一避難指示が出た時に「キャンプ道具を放置してでも逃げる」ことが何よりも大切です。とっさの判断を誤ると、大きな事故に繋がってしまうのが、アウトドアの恐ろしさでもあります。
今回、基本的な情報収集の徹底と合わせて「予期せぬ悪天候」を想定した行動が重要であると、改めて学びました。
夏のキャンプやアウトドアをより安全に楽しむために、今一度安全対策について考えてみてはいかがでしょうか?