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名人挑戦権を争う大一番始まる A級7回戦▲藤井聡太竜王(5勝1敗)-△豊島将之九段(4勝2敗)

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月18日10時。大阪・関西将棋会館において第81期順位戦A級7回戦▲藤井聡太竜王(5勝1敗)-△豊島将之九段(4勝2敗)戦が始まりました。

 渡辺明名人(38歳)への挑戦権を争う上での大一番。もし藤井竜王が勝てば1敗をキープし単独トップを守ります。豊島九段が勝てば2敗で5人が並ぶ大混戦となります。

 藤井竜王先手で、戦型は角換わり腰掛銀となりました。

 12月25日におこなわれたSUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2022。両者はリレー将棋でチームを組んで、やはりこの戦型を選んでいます。

 本局、豊島九段が6筋の歩を五段目までに突き越したのに対し、藤井竜王が歩を突き上げて駒がぶつかりました。

 藤井竜王は45手目、中段に銀を出て積極的にぶつけていきました。対して豊島九段は自陣に角を打ちます。現在最前線の進行となりました。

 ここまでの消費時間はわずかに藤井17分、豊島11分。ペースの早さからして、両者ともに事前研究は十分と思われます。ここからは一気に激しい戦いに入る可能性もありそうです。

 A級順位戦の持ち時間は各6時間(ストップウォッチ形式)。昼食、夕食休憩をはさんで、通例では夜遅くに終局となります。

 藤井竜王は現在、先手番で20連勝中という驚異の成績を残しています。

 今年度、トータルの成績は39勝7敗(勝率0.848)です。

 豊島九段の今年度成績は28勝18敗(勝率0.609)です。

 両者のこれまでの対戦成績は藤井19勝、豊島11勝です。

 藤井竜王と豊島九段は先日おこなわれた朝日杯で、ともにベスト4まで勝ち進んでいます。

 こちらの準決勝でも、両者は対戦することとなりました。藤井竜王は今年度、早指しのトーナメント4棋戦、全制覇の可能性も残されています。

 タイトル戦では今年度中、棋王を獲得すれば六冠。来年度、名人獲得で七冠、王座獲得で八冠という可能性もあります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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