Yahoo!ニュース

削りたての鰹節はピンク色!ふわっふわの鰹節丼が食べられる専門店が東京進出

田窪綾フードライター

2022年12月、東京・神田淡路町にオープンした鰹節丼専門店 「節道 BUSHIDO」へ行ってきました!こちらではこんもりと盛りつけられた削りたての鰹節が主役。お味噌汁や卵、おばんざいなどがつく定食が朝7時半から楽しめるんです。

京都・烏丸御池で人気を博す 「節道 BUSHIDO」が東京に進出

黒を基調としたシックな外観。鰹節の大きな写真が目印です
黒を基調としたシックな外観。鰹節の大きな写真が目印です

お店の場所は神田淡路町一丁目。最寄り駅は淡路町駅、小川町駅、新御茶ノ水駅でいずれも徒歩2~3分程度の場所で、大通りから少し奥に入った路地にあります。

店内は計14席。2~4名掛けのテーブル席ほか、カウンター席もあります
店内は計14席。2~4名掛けのテーブル席ほか、カウンター席もあります

お店に入ると、ふわりと鼻をくすぐる出汁の香り。お店中がなんとも良い香りに満たされています。

実はこちらの「節道 BUSHIDO」、京都・烏丸御池にもお店があり、観光客を中心に毎日長蛇の列ができるほど大人気!東京へも2号店という形でオープンしたのだと私は思っていたのですが、店主の方にお話をお聞きしたところ、京都のお店とは別会社が運営しているとのこと。

とはいえ、使う鰹節や削り方、メニューや提供方法などは同じで、ノウハウを経て開業しているそうなんです。では、気になるメニューをさっそくチェックしていきましょう!

シンプルな鰹節丼定食ほか、おばんざいがつくセットもあり

メニューは主に3種類。「朝限定鰹節丼定食」(800円)は鰹節丼のほか、汁物、京漬物、薬味、こだわり卵が付きます。こちらは朝7時半~11時までの限定。

その他、上記の鰹節丼定食におばんざいを1品つけると1000円に、2品つけると1200円になります。おばんざいをつける定食は時間を問わず注文可能。その他、別料金でごはんを大盛にしたり、卵をプラスしたり。鰹節をおかわりすることもできます。

私は「せっかくなのでおばんざいも食べたい!」と、贅沢に2品つきをチョイスしてみました。

完成までに半年以上かかる最高級品「本枯節」を使用

各テーブルには、使われている素材について詳しく書かれたフライヤーがありました。こうしたお店のこだわりや想いを知ることができるのはお客としても嬉しい限り。注文を待つ間、思わず読みこんでしまいます。誰かに「このお店良かったよ!」と伝える時にも勧めやすいので、もっとたくさんのお店がこんな風にアピールしてくれたらいいのになあ……と思います。

夢中になって読んでいると、オープンキッチンからダダダダダダ……という小気味良いリズムの機械音が聞こえてきました。

「節道 BUSHIDO」さんの鰹節は、天然のカビ付けや天日干しなどを繰り返し、半年以上をかけて作り上げる土佐の本枯節を使用。高知県の鰹節作りで伝承されてきた土佐節の製造技術は2021年、登録無形民俗文化財にもなっているほどです。

また、使っている出汁は鰹節だけでなく、昆布やうるめ、さば、いわしなどをブレンドしたもの。お米や出汁醤油にもこだわっており、『最高の状態で鰹節丼定食を味わってもらいたい』との心意気が感じられます。

口の中でスッと消える、くちどけの良い鰹節

鰹節丼とおばんざい2品定食(1200円)
鰹節丼とおばんざい2品定食(1200円)

「お待たせしました」と運ばれてきたのは、今にもあふれそうな鰹節丼!どんぶりの倍以上もある量です。ふわふわと揺れ、私の鼻息だけでも飛んでいきそうに軽い!

おばんざいはぜんまいとごぼうの煮物と、京都・湯波吉のゆば。お漬物はすぐき、ごぼう、たくあんの3種類がついてきます。

各テーブルには食べ方の解説もあります
各テーブルには食べ方の解説もあります

どうやって食べれば…と動揺していたら、ちゃんとスタッフさんが説明してくれました!

・まずは小皿に半分ほど鰹節を取り分けて、そのままで食べる
・オリジナルの出汁醤油と卵をのせて&薬味をアクセントに
・最後はだし茶漬けに

こぼさないよう慎重に取り分けましたがなかなか難しい…
こぼさないよう慎重に取り分けましたがなかなか難しい…

さっそく取り分けてそのまま食べてみました。よくスーパーで購入する鰹節とは別物です。向こう側が透けて見えるほど薄く、口に運ぶと瞬間的に溶けます。後からふんわりと鰹の風味が鼻から抜けて行き、その食べ心地にびっくり。

店主の方にお話を聞いたところ、市販の鰹節の1/10ほどである0.01ミリという薄さで、特殊な削り機を使うことで実現したそう。手削りであっても0.05ミリが限界とのこと。なるほど、くちどけの良さに納得です。

さらに特筆すべきはこの鮮やかなピンク色。鰹節は空気に触れると酸化します。10~15分経つと白っぽくなり翌日は茶色になってしまうため、お店では注文ごとに削っているのだとか。先ほど聞こえてきたのは鰹節削り機の音だったんですね。

そのままの鰹節を楽しんだ後は、卵を落とし、出汁醤油を回しかけて食べます。この出汁醤油がまた濃厚でおいしい…!旨味が幾重にもなり、卵がなめらかにまとめてくれます。最後はポットに入った温かい特製出汁でサラサラとお茶漬けに!

合間に食べたおばんざいはしっかりとした味付けで、それだけでもごはんが進みます。 出汁の効いたお味噌汁にも鰹節が入っており、鰹節づくしの定食を120%堪能できました。

後から来られたお客さんの「わああ、すごい!」という歓声に思わず私もニンマリ。

私が伺ったのは2月の初旬ですが、お店では最近『鰹節丼の2倍盛り』も始めたそう!朝7時半から15時までの営業なので、朝ごはんにもランチにもおすすめです。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

「節道 BUSHIDO」

フードライター

調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成、レシピ提案などを行っています。

田窪綾の最近の記事