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【大人の工作】自宅で鯛の姿造りをつくる方法

筋肉料理人料理ブロガー、料理YouTuber
一尾1000円の養殖真鯛で作った、鯛の姿造り。

こんにちは、筋肉料理人です。今日は自宅でつくる「鯛の姿造り」を紹介させて頂きます。鯛の刺身は普通にスーパーで買える身近な刺身ですが、姿造りとなると飲み会の料理屋さんでお目にかかる程度だと思います。

これを自宅て作るの?って感じだと思いますが、昨今は魚料理を趣味にされる方が増え、自分で挑戦してみようって方や、自分で作りはしないけど作り方には興味があるって話をよく聞きます。そこで今日は自宅での鯛の姿造りをつくる方法を紹介させて頂きます。

850gの養殖真鯛、1000円ちょっとで買ってきました。姿造りには800gから1kg位の真鯛を使うのがお勧めです。
850gの養殖真鯛、1000円ちょっとで買ってきました。姿造りには800gから1kg位の真鯛を使うのがお勧めです。

鯛の姿造りをつくるにはまず、肝心の刺身用の真鯛が必要です。刺身用の真鯛は鮮魚販売に力を入れているスーパーや、専門の鮮魚店で手に入ります。趣味で料理をされている方なら、休日に時間を取って料理という事が多いと思いますが、日曜日は市場が休みで天然の獲れたて鮮魚は入ってきません。ですが養殖の真鯛は生け簀で泳いでいるのを締めるので、日曜日に鮮魚店に行くと養殖真鯛が目玉になっていることがあります。今回使うのは養殖の真鯛(850g)でお値段1000円ちょっとでした。

刺身用の真鯛が1尾で1000円は刺身好きの人には魅力的だと思います。1尾で6人分位の刺身になるので、自宅で自分で魚をさばいて刺身にできると、お安く刺身を食べられます。

そして今回のテーマ、「自宅で鯛の姿造りをつくる意味」です。私の場合ですが、姿造りは作る楽しみが段違いなんです。こんな風につくろうと構想を立て、下準備してから魚をさばいて形にするので工作感覚でつくっています。

姿造りは出来上がった時の満足感がヤバイ

すぐに食べてしまうけど、写真にして残せるから

自分の作品として思い出を残せる

これに尽きます。

鯛の刺身は好き嫌いが少ないから家族、友人が喜んでくれるのも嬉しいです。

そしてその次に楽しみとしては、写真を残しておけば、

過去の作品を参考にしつつ、新しい作品をつくれる

次回作につながる楽しみもあるんです。

まさに大人の工作です。

実際、鯛の姿造りを上手に作るにはかなりの技量は必要になります。

まずはアジの姿造りから初めて、イサキの姿造り等で練習を重ねるのもいいし、思い切って最初から真鯛で挑戦するって手もあります。それを踏まえて解説させて頂きます。

鯛の姿造り

準備するものはこちらです。

刺身用の真鯛 800gから1kg位のもの

(動画の真鯛は850gの養殖物です。)

大皿 直径30~35cm位のもの(角皿でも)

出刃包丁、刺身包丁

ウロコ取り

大きなまな板 木製の物が使いやすいです。

竹串(15cm) 姿の固定に使います。

バット、ボウル

小さな保冷材が3個あれば便利です。

ペーパータオル

布巾

酢、日本酒

大根ケン 500g以上必要です

大葉、レモン、わさび

刺身をつくる際の衛生上の注意

1)食材を常温で放置しない。その1

魚は温度が上がると鮮度が落ちます。

常温放置を避け、鮮度低下の食中毒(アレルゲンによる食中毒)を防ぎます。魚を買ったら氷をもらい、冷やしながら持ち帰ります。寄り道はしなようにしましょうね。

2)食材を常温放置しない。その2

魚を常温に置くと、表面についた腸炎ビブリオ等の食中毒菌が増殖します。料理中も20度以下には保ちたい感じです。25度を超えると活発に増殖するそうです。ですから、暑い時はエアコンをつけてさばきましょう。寒い時はエアコンを切って厚着してさばきます。

3)真水で洗う。その1

腸炎ビブリオは真水に弱い細菌なので、表面を洗い流すと食中毒の危険が少なくなります。エラにもついているので、内蔵を取ったあと、腹腔内を流水で洗うのは大事です。

4)真水で洗う。 その2

内臓とエラを取ったあと、腹腔内を流水で流します。魚の寄生虫、食中毒を起こすアニサキスは内臓と腹腔内の間にいるからです。流水で洗い流します。

5)真水で洗う。。その3

魚を触ると手に細菌がつきます。魚をさばくとまな板、包丁、布巾に細菌がつきます。これらを綺麗に洗うのが大事です。事前に洗うだけでなく、各作業間にも洗うのが大事ですね。

この他にキッチン周り、包丁、まな板、布巾は清潔なものを使います。まな板は使ったら洗剤で洗って乾燥させ、布巾も綺麗に洗って乾燥させたものを使います。

作業の手順

1)水洗い(ウロコ、エラ、内臓を取り、腹腔内を流水で洗う)します。

エラを取り出したところです。
エラを取り出したところです。

2)姿造り用に頭をつけたまま三枚おろしにします。

頭を付けたまま三枚におろします。頭と中骨をつなげておくと盛り付けしやすくなります。
頭を付けたまま三枚におろします。頭と中骨をつなげておくと盛り付けしやすくなります。

3)サク取り、皮霜、刺身に切る前準備

半身は腹骨を切り取ったあと、血合いの小骨を切り取り、皮を引きます。

皮を引いたサク
皮を引いたサク

半身は腹骨を切りとり、皮に熱湯をかけて冷やし、その後に小骨を切り取ってから皮ごと刺身にします。

皮に熱湯をかけて冷ますと、皮付きの刺身にできます。皮と皮の下の脂の味が入ります。
皮に熱湯をかけて冷ますと、皮付きの刺身にできます。皮と皮の下の脂の味が入ります。

4)姿(頭付きの中骨)の形を整えて盛り付け準備

大根と竹串で盛り付け用のマクラ(魚剣山)を作り、姿を固定して皿に据え付けます。

姿の上に大根ケンを盛り付けて、大葉を置き、この上に刺身を盛り付けます。

※完成の形をイメージして姿を固定し、どこにどんな刺身を盛るか考えながら大根ケンを敷きます。

※姿造りの形は良い写真を撮るための三角構図、日本庭園や箱庭のにおける高さ、奥行き、手前の広がり、重なりが参考になります。中央奥を高く、手前に来るにしたがって裾広くして安定感を出し、重なりのある盛り付けにします。

大根と竹串で作ったマクラを使って形を決めます。
大根と竹串で作ったマクラを使って形を決めます。

姿を皿に据え付け、大根ケンを敷いて刺身を盛る準備をします。大根ケンが大量にいるので、今回は姿の上に冷媒を置き、その上に大根ケンをのせています。
姿を皿に据え付け、大根ケンを敷いて刺身を盛る準備をします。大根ケンが大量にいるので、今回は姿の上に冷媒を置き、その上に大根ケンをのせています。

5)サクを刺身に切って盛り付ける。

刺身残りつけの基本は奥から手前。右から左です。

姿造りの盛り付けの場合、一番目立つのは奥に据え付けた姿の上です。ここから盛り付けはじめ、その後に手前の方にも盛り付けていきます。今回は正面、中ほどにそぎ造り、手前に皮霜造りと、鯛のなめろうを盛り付けました。

下処理したサクをそれぞれに合った刺身にして盛り付けます。
下処理したサクをそれぞれに合った刺身にして盛り付けます。

一番目立つ中央奥、姿の上から盛り付けます。
一番目立つ中央奥、姿の上から盛り付けます。

6)仕上げにあしらいや薬味を添えます。今回はレモンがあったのでレモンスライスを飾りました。

真鯛の姿造り。正面、中央は削ぎ切りの刺身。左手前は皮霜造り、手前右はなめろうです。
真鯛の姿造り。正面、中央は削ぎ切りの刺身。左手前は皮霜造り、手前右はなめろうです。

立体感と遠近感、重なり、末広がりにして安定感もある盛り付けを意識しています。箱庭感覚です。
立体感と遠近感、重なり、末広がりにして安定感もある盛り付けを意識しています。箱庭感覚です。

こんな感じで鯛の姿造りの完成です。細かいところはテキストが長くなるので動画をごらんください。

今回、料理した養殖真鯛は鮮度が素晴らしく、食感、旨味ともに抜群でとても美味しかったです。刺身も良かったですが、なめろうは皮付きの身を味噌と薬味と合わせて叩いたので最高でした。

残った大根ケンは流水で洗って水切りして冷蔵。味噌汁にしました。

頭と中骨はあら炊きにできます。

魚は刺身にした後、あらまで食べられるのが良いところだし、そうするとコスパも良くなります。

家庭で作る姿造り、参考になれば幸いです。

料理ブロガー、料理YouTuber

料理ブロガー、調理師、料理研究家。フィットネス全般の愛好家。料理レシピ開発、料理教室、料理イベント、料理の撮影、スタイリングなどを手掛ける。プロフ名の筋肉料理人は、30年以上続けている筋トレを捩ってつけました。目標は70歳でベンチプレス100キロです。

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