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元保育士パパが伝える「しからない子育て」~「しかれない親」「怒る親」にならない3つのポイント

hirofuminice元保育士Webライター

元保育士Webライターのナイスです。

2000年代頃から子育てや保育、教育の現場などで「しからない子育て」「ほめて育てる」「自己肯定感」などのキーワードがよく聞かれるようになりました。しかし、しからない子育てを実践できている人も、本当に理解している人も少ないのではないでしょうか。

今回は「しからない子育てとはどういうことか」「実践するためのポイント」など、しからない子育てについて解説します。

子育ては難しい

子どもを育てるということは並大抵なことではなく、子育てが完璧にできる人も完璧な親もいません。子どもによかれと思ってかけた一言が子どもを傷つけたり、子どもの接し方がわからず途方にくれたりした経験がある人は多いでしょう。

昨今、公共の場所で子どもが周りの人に迷惑をかけても何も言わない(言えない)「しかれない親」を目にすることもあれば、些細なことでイライラして人前でも構わず子どもを大声でしかっている光景を目にすることもあります。また、子どもの虐待に関するニュースも後を絶たないことから、子どもに対する親の対応が両極端になっているように感じます。

子育てには「子どもを叩いてはいけない」などやってはいけないことはありますが、子どもは一人ひとり違うので、どの子どもにも絶対に当てはまる正解はありません。そして親も人間なので、失敗することも間違えることもあります。大切なのは、その都度自分の子育てを振り返りながら、修正や改善を繰り返すことです。

しからない子育てとは

しからない子育てとは前述した叱れない親とは異なり、「甘やかし」や「放任」でもありません。子どもが悪いことをしても見て見ぬふりをし、全て肯定することとも違います。

子育てや教育は、時代とともに少しずつ変化するものですが、保育や教育の現場でも「自由保育」や「ゆとり教育」がよいと言われたりその弊害が叫ばれたり、様々な変遷を遂げてきました。昭和の時代では、子どもが悪いことをすると叩く親や廊下に立たせる教師がいましたが、現在では大問題になります。

子育てや保育、教育の変遷の中で子どもを叱らず褒めて育てようという考え方が主流となってきた背景には、子どもをしかって言うことを聞かせようとすると、恐怖心によってそのときだけ言うことを聞いても本当に理解したわけではないことが一因です。そして、子どもは知恵を働かせて、大人が見ていないときだけ悪いことをするようになってしまうという理由もあります。そして、時代とともに自己肯定感が低い子や些細なことで精神的にダメージを受けてしまう子供が増えたこともあるでしょう。

つまり、しからない子育てのねらいは「子どもをしかるよりも褒めたり励ましたりして自己肯定感を高めること」です。「しかられるからやらない」のではなく、子どもが本当に善悪などを理解して自制できるようにとの配慮や目的もあります。

しかし、「しからない子育て」「褒めて育てる」「自己肯定感」などの言葉だけが先行し、「子どもをしかってはいけない」と思い込み、しかれない親や子どもが何をしても放任してしまう親が増えてしまったのでしょう。

保育や教育の現場でも、保育士や教師が子どもをしかると保護者からのクレームになってしまうことから、子どもをしかれない、放任してしまう保育士や教師が存在しています。

物事の善悪を子どもが本当に理解することが目的の「しからない子育て」が「しかれない子育て」になってしまうと、子どもはますます善悪が理解できなくなるため本末転倒です。

しからない子育てを実践する3つのポイント

しからない子育てを理解し実践するためのポイントはたくさんありますが、その中から最も大切で基本的な3つを紹介します。

しかる基準を決める

些細なことできつくしかったり、機嫌のよいときとよくないときで子どもへの声かけや接し方が変わったりしてしまうのはよくありません。子どもは善悪をわからないためによくないことをしてしまう場合もあれば、よくないことはわかっているのにしてしまう場合やわざとやる場合などさまざまです。そのため、そのときの状況に応じた対応をすることが求められます。

しかし基本的には、大きなことでなければ少し声をかける程度でよいでしょう。一度に理解できなくても繰り返し伝えることで、子どもは成長とともに理解できるようになります。言ったり言わなかったりすることなく「○○をしたときは声をかける」「○○は危険なことだから真剣に伝える」など、しかる基準を決めて毎回同じ対応を心がけましょう。

夫婦や両親など家族で子育てをする場合は、人によって対応が変わらないよう話し合い、全員が同じ対応をすることも大切です。

感情的にならない

子育てにおいて「しかる」と「怒る」の違いがよく言われますが、叱らない子育てを言い換えるとすると「怒らない子育て」だと言えるでしょう。しからない子育てとは子どもが何をしてもしかったり注意をしたりしないことではなく、感情的に怒らずに落ち着いて言い聞かせることです。

子どもが何かいけないことをしたときは落ち着いて、諭したり言い聞かせたりするように心がけましょう。命にかかわることや人に迷惑がかかるような場面でも、怒りではなく真剣に伝えるように意識することもポイントです。

また、「あなたは大切な存在だから、しっかりと理解してほしい」という気持ちを込め、子どもに愛情を伝え、しかった後はいつまでも引きずらずに抱きしめたり優しい言葉をかけたりなどフォローをしましょう。

失敗したら謝る

感情的にならないよう心掛けても、親も人間なのでついカッとなって言いすぎたりきつい言い方をしたりしてしまうこともあるでしょう。状況を確認せずに、間違った声かけをしてしまうこともあるかもしれません。そのように「子どもへの対応がよくなかった」「間違えた対応をしてしまった」と思うときは、素直に謝ることも大切です。

「言いすぎてごめんね」「お母さんが間違えていたわ。ごめんなさい」など、親が自分の非を認めて素直に謝ることで、子どもは「誰でも間違えたり失敗したりすることはある」ということを学びます。「悪いことをしたら、きちんと謝ることが大切なんだ」ということも理解できるはずです。

子育ては難しいけど楽しくて幸せなこと

子育ては難しく大変なことがたくさんあるので迷い、悩みながら子育てをしている親はたくさんいます。しかし、悩み過ぎて子どもに愛情を注げなくなったり自分を責めすぎてしまったりすることはとても苦しく辛いことです。完璧な親はいないということを心に留め、難しさや大変さ以上に子どもへの愛情や幸せ、子どもと過ごすかけがえのない時間の喜びや楽しさを感じながら、毎日を過ごせることを願っています。

元保育士Webライター

元保育士で、現在はフリーランスとしてWebライターのほか、リトミックや親子遊びの指導など幅広く活動しています。保育士やリトミック指導のスキルや知識、父親としての子育て経験を基に、子育てや保育に関する情報を発信していきます。

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