宇宙と脳内の類似性が科学的に判明!?最新の研究成果がヤバイ
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は宇宙ヤバイchと並行して更新している生物ヤバイchから、「宇宙と脳内の構造の科学的な類似性が判明!?」というテーマで記事をお送りしていきます。
以前から、無数の銀河の集団同士を結ぶ宇宙の大規模構造と、脳の神経細胞(ニューロン)同士を結ぶネットワークシステムは、見た目が非常に似ているとして大きな注目を集めてきました。
大規模構造とニューロンネットワークのスケールの差は、実に27桁にもなるようです!
10億の10億倍のさらに10億倍という、途方もなく巨大な数値です。
そのためこれらを支配する力は、宇宙の大規模構造は重力、ニューロンネットワークは電磁気力と、全く異なる種類の力によって支配されています。
ですがもしかすると、ネットワークの接続性という観点からすれば、何か共通の法則が働いているのかもしれません。
そこでこれらの類似性を科学的に示した研究成果が去年2020年11月に発表されていたので、今回はそちらを紹介します!
宇宙の大規模構造
ではまず本題に入る前に、宇宙の大規模構造と、人間の脳内のニューロンネットワークについて解説します。
まずは大規模構造の方から解説していきます。
私たちの住む地球は、太陽系の中に属する一つの惑星です。
そんな太陽系は近隣の星々の中の一つにすぎず…
近所の星々は、2500億個の恒星が集まった天の川銀河のほんの一部にすぎません。
さらに天の川銀河は、アンドロメダ銀河などを含む近所の重力的に結びついた「局部銀河群」と呼ばれる40-50個程度の銀河の集団の一員であり、
局部銀河群はおとめ座超銀河団のほんの一部にすぎません。
そしておとめ座銀河団もさらに巨大な構造の一部にすぎません。
この辺りのスケールから、銀河の集まった部分とそうでない部分で濃淡がはっきりしてきます。
このような構造は一見網目構造のように見え、このような構造を宇宙の大規模構造と呼びます。
宇宙の大規模構造のうち、銀河が集まった細長い網目に当たる部分は「銀河フィラメント」、そして銀河が何もない空洞が「超空洞(ボイド)」と呼ばれています。
このような網目上の構造がさらに連なっていき、観測可能な宇宙全体へと広がっていると考えられています。
ニューロンネットワーク
そして人間の脳内も、大規模構造と似たネットワーク構造を形成しています。
脳内にあるニューロンと呼ばれる、電気信号で情報をやり取りする特殊な神経細胞は、樹状突起と軸索と呼ばれる細長い構造を持っています。
ニューロンは軸索を別のニューロンの樹状突起と繋ぐことで、ネットワーク構造を形成しています。
軸索と樹状突起の接続部分には、シナプスと呼ばれる隙間が空いています。
電気信号がAのニューロンから放たれてシナプスに来ると、神経伝達物質がシナプスを通じて、Bのニューロンが持つレセプターと呼ばれる構造でキャッチされます。
このような仕組みでニューロン同士のネットワークが形成されることで、人間は物事を記憶したり、別の記憶と結びつけて考えたりすることができます。
両者の科学的な類似性とは?
では実際に、宇宙の大規模構造とニューロンネットワークの間に見られる科学的な類似性について見ていきましょう!
まずは先ほどから触れていましたが、両者ともネットワーク構造を持っていることです。
ニューロンネットワークにおける軸索や樹状突起が、大規模構造における銀河フィラメントにあたります。
そしてネットワークの構成単位とも言える銀河とニューロンの数ですが、前者は観測可能な宇宙に最低でも1000億個以上あり、後者は人間の脳内に約860億個あると考えられています。
さらに宇宙全体と脳内を占める組成についても類似点があります。
宇宙ではダークエネルギーが約70%を占めていて、脳内では水分が約77%を占めています。
ダークエネルギーも水分も、どちらもネットワーク構造の形成や役割に直接関与しているものではないという点においても、性質が一致しています。
さらに研究チームは、定量的な類似点を見出すため、両者の画像を分析して比較しました。
右が小脳のネットワーク、左が宇宙の大規模構造です。
まず、ネットワークの密度が非常によく一致していました!
具体的には小脳での1~100マイクロメートルの間のスケールにおいての密度の変化と非常に似た変化が、宇宙の大規模構造の500万~5億光年の間のスケールにおいても見られたそうです。
どちらも100倍のスケールの推移で密度が一致しているということは、やはり小脳のネットワークと宇宙の大規模構造は非常に高い精度で似た性質を持っていると言えます。
さらに、脳内における各ニューロンに接続している軸索の本数が平均で4-5本なのに対し、大規模構造において銀河フィラメントの結び目の部分から伸びるフィラメントの本数も、平均で4本程度と、非常に近い数値となっていました!
このように偶然としては出来すぎなほど科学的な共通点が多く見受けられたことから、これらを支配する力は重力と電磁気力とで全く異なるものの、どちらもネットワークの性質としては似たような物理的な原理に従って進化した可能性があります。
この宇宙は誰かの脳であると考えるのは流石にSF的すぎますが、そんなロマンしかない妄想まで膨らむほど、本当に面白い研究成果を紹介させていただきました!