ほっこり甘い、もちもち柔らかな「茶屋の餅」たっぷりきなこと胡桃、ダブルの香ばしさはお茶の間のスタメン
どんなに月日が流れようとも、生活スタイルが多様化しようとも、ふとした瞬間に懐かしく思ったり、脳裏にその味わいが蘇ってくるようなお菓子ってありませんか?
決して高級品でも華美ではないけれども、ささくれた心をひと撫でしくれるようなそんな和菓子がわたしにもいくつかあるのです。
その中の一つ。青森県にて創業約140年を誇るお菓子屋「ラグノオ」さん。今では洋菓子のイメージが強いという方も多いかもしれませんが、もともとは餅屋さんからその歴史がはじまりました。和洋双方の技術を取り入れているラグノオささきには、かれこれ50年以上もの間愛され続けている餅菓子があるのです。
今回はラグノオささきさんの「茶屋の餅」をご紹介。
創業地である青森県弘前市は城下町として栄えておりましたが、付近の岩木山を含む津軽山地と呼ばれる津軽半島の山々を超えるのはなかなかの重労働だったことでしょう。その道中、お茶屋さんで提供されて旅人の疲れたと小腹を満たしたであろう餅菓子に思いを馳せた商品とのこと。
餅粉にあわせるのは一般的な白いお砂糖だけではなく、琥珀のような深みのある茶色い麦芽糖。そして旨味や独特の深みを運んでくれるお醤油。それらの色合いにより、温かな飴色に色づいたお餅を蒸しあげて切り分け、そこに惜しげもなく口当たり柔らかな黄粉をたっぷりと。
仄かな塩気がなんとも素朴な甘さを引き立ててくれ、尚且つ意外と大胆にも歯ごたえを残すような大きさに砕かれた胡桃がたっぷり!香ばしさだけではなく、ナッツがもつ良質な脂質が上品な風味をもたらしてくれます。
柔らかくもある程度芯のあるもちもちとした食感ということ、そして上白糖の甘さに頼り切らないコクは非常に食べ口が良く、我が家の祖父母の家のお茶の間に常にあったことも納得です。
有難いことに今では都内でもアンテナショップなどでも購入できますが、それでもかつて母が地元の味として日持ちのする食品と一緒に贈ってくれたことを今でも思い出します。どんなにハイカラなお菓子が流行ろうとも、やっぱり昔ながらの味は変わらずいてほしいなと切実に思った次第です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<ラグノオ・弘前百石町本店>
公式サイト(外部リンク)
青森県弘前市百石町9
0172-33-2122
8時~19時
定休日 火曜