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日本の酷暑に衝撃、苦しむ女子ゴルフ韓国勢。リオ五輪金メダルのパク・インビも「20年でこの暑さは初」

金明昱スポーツライター
五輪連覇を狙うパク・インビも暑さに苦しむ(写真:ロイター/アフロ)

 気温36度。体感温度は40度近くあっただろうか。

 4日から開幕した東京五輪女子ゴルフの初日、猛暑の中でのプレーに苦しんだと口をそろえていたのが韓国勢だ。

 世界ランキングトップ10以内の4選手が出場している韓国。同2位のコ・ジンヨン、同3位のパク・インビ、同4位のキム・セヨン、同6位のキム・ヒョージュがそうだが、初日からいずれもアンダーパーを記録し、4人ともにトップ10入りでスタートを切った。

 ただ、表情は硬かった。ギラギラした太陽がゴルフ場を照りつけ、気温はぐんぐん上昇する。

 否が応でも体力を奪われる状況は、気楽に笑顔を浮かべられる状況ではなかった。

 初日3アンダーで4位発進のコ・ジンヨンは「今日(初日)はとても暑かった。後半からさらに気を引き締めてプレーしたが、3アンダーでうまく終えられたと思う」と語っている。

 また、前回のリオ五輪で金メダルのパク・インビも「20年もゴルフをしているが、これほどの暑さは初めて。毎日がマラソンをしているようで、後半の何ホールかはどのように打ったのか分からないほど」と集中力を保つ難しさを実感していた。

 ちなみにパク・インビは日本ツアーで4勝しており、日本のゴルフ場や環境にも比較的慣れているほうだと思う。しかし、勝った試合はいずれも春と秋というデータがある。

 彼女は米ツアーを主戦場にしつつ、日本ツアーにも2010年から参戦。夏場の試合に出たのは、2011年8月の「meijiカップ」(予選落ち)と2012年7月の「スタンレーレディス」(9位タイ)しかない。あえて夏場の試合を避けていたのかは分からないが、日本の暑さは得意ではないのかもしれない

 日本ツアーで優勝経験があるキム・ヒョージュは、ショートパンツでプレーしたことをかなり後悔していたようで「日焼け止めを塗らないでプレーしたので、足が日焼けしてとても痛かった」と笑っていたという。これほどの暑さとは、想像していなかったのだろう。

 キム・セヨンも「あまりにも暑すぎて笑いしか出てこない」とプレー中の敵は“暑さ”だと強調していた。

 直接、対戦する相手がいない個人競技のゴルフは、コースコンディションや天候との戦いでもある。すべての選手が同じ状況で試合をするとはいえ、ラウンド中に急な天候の変化で強風や雨の影響を受けたりすることもあり、運を味方につけた選手が有利になることもある。

 2日目(5日)の暑さも同様。コ・ジンヨンが通算7アンダーの6位タイで2日目を終え、韓国勢の中でトップを走るが、持ち味のショット力は鳴りを潜めている。

 五輪連覇を狙うパク・インビも通算3アンダーの24位タイとスコアを伸ばしきれなかった。

 それでも3日目(6日)はまた大きくスコアが動くだろう。日本の8月が酷暑になることは、ある程度予想されていただけに、18ホールを乗り切る集中力と体力を切らさないことがメダル獲得のカギとなりそうだ。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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