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令和で手帳は進化した。ともあれ昭和な手帳もまだあるんですよ。“ザ・昭和”な手帳をみてみよう。 

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手


以前紹介した記事では、令和の手帳の現在についてごく一部、簡単に紹介しました。
「手帳を昭和だと言ってる人のアタマが昭和なのだ!」では、今手帳とは?令和の手帳の姿を考える その1
「手帳を昭和だと言ってる人のアタマが昭和なのだ!」では、今手帳とは?令和の手帳の姿を考える その2

 で、今回はザ・昭和というべき手帳を入手したので紹介しましょう。


表紙など

 まずサイズは縦約15.5cm×横9cmほど。ちょうどドレスシャツのポケットや、スーツの内ポケットに入るサイズですね。
 また革風の装丁です。表紙を開くと、令和5年、令和6年のカレンダーが見開きであります。

革風の装丁。いかにも手帳という雰囲気。
革風の装丁。いかにも手帳という雰囲気。

令和5年、6年のカレンダー
令和5年、6年のカレンダー

 続く折り返しは、国民の祝日に、二十四節気、行事、雑節が掲載されています。
 この辺は、携帯できる暦としての性格があらわれているところでしょうか。

国民の祝日などのデータ
国民の祝日などのデータ

予定記入欄は

 続いて予定記入欄です。まず月間の欄ですが、2色刷の横罫タイプ。六曜がわかりやすく記載されています。罫線はやや濃いめですね。 次が見開き1週間の欄です。見開きの左ページが月曜日から木曜日、右ページが金曜日から日曜日です。いわゆるホライゾンタルタイプですね。
 ここにも六曜がわかりやすく出ています。時間軸や横罫はなく、無地のメモでのびのびと書けます。日曜日の下は、横罫のメモ欄です。もっとも、昭和の手帳に時間軸がなかったというわけではありません。これはたまたまそういうタイプだということでしょう。

見開き1週間。いわゆるホライゾンタル式
見開き1週間。いわゆるホライゾンタル式

 ここまで見ると、大手雑貨店で量販されているような手帳がいかに工夫が凝らされているかがわかりますね。どちらがいい悪いというのではなく、使い方の違いが、予定記入欄や罫線、時間軸の有無として現れている感じですね。
 そしてメモページ。点線の横罫です。全部で22ページ。上下にページを分割できる点が3カ所ずつ。つまり4分割できるようになっています。

便覧は

 続いて付録。つまり便覧ですね。年齢早見表、郵便料金、印紙税額一覧表などがあります。最後にこの手帳の発行元である銀行の店舗ご案内と店舗網の図(路線図入り)があります。この辺はいかにも昭和な手帳という感じでしょうか。ともあれ後で述べるように随所に新しさを感じる部分もあります。

随所に新しさ

店舗網という形で路線図が掲載されている。右上のQRコードに注目
店舗網という形で路線図が掲載されている。右上のQRコードに注目

 このように、この手帳は、一見いかにも昭和な感じです。ですがたとえば、便覧部分には、インターネットバンキングや自動送金サービスの手数料一覧があります。
 また、店舗網のページの右上にはQRコードがあります。
 この辺は両方とも昭和の手帳にはなかったものです。第一印象とは裏腹にアップデートされている部分もあるわけです。 おそらくこの手帳は今後もずっと作り続けられるはずです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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