「手帳を昭和だと言ってる人のアタマが昭和なのだ!」では、今手帳とは?令和の手帳の姿を考える その1
手帳というと古色蒼然とした伝統的なツールというイメージを思い浮かべる人は多いと思います。「手帳?昭和じゃん」そんな意見も珍しくありません。
さてでは、本当にそうなのでしょうか。今回は、現在の手帳が、かつてのそれとは大きく異なっている、変化しつつある事を実例を参考に説明していこうと思います。
こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦です。
かつてのメインストリームは縮小傾向?
かつて手帳と言えば、その所属する会社から無償で与えられるもの(年玉手帳)がほとんどでした。店頭で買う現在のようなスタイルがポピュラーになったのは、平成不況以降です。バブル景気と連動するかたちで終身雇用制が崩壊し、上述の年玉手帳が大幅に減少して以降の事なのです。くわしくは拙著『手帳と日本人』(NHK出版新書)に書いたので興味がある方はぜひご一読ください。
要するに年末の文具店や雑貨店店頭を飾るおびただしい手帳群という光景は比較的最近、少なくともこの40年ぐらいの事なのです。それ以前は手帳とは買う物というより、所属している会社からもらうものが多数派だったのです。
そしてこの年玉手帳やそのカスタマイズのベースたるビジネスパーソン向けの黒い革または合皮の手帳こそ、多くの人の手帳のイメージでしょう。
それは確かに昭和な感じがします。
現在の手帳はそこからかなりかけ離れたところにいます。
黒い革表紙の手帳は、実体としてはともかくイメージとしては減少しつつあります。 変わって台頭してきているのがほぼ日手帳やジブン手帳といった、新興の勢力です。前者は20年以上、後者ももう登場して10年が経過しています。この2者の共通点は、書く内容が予定にとどまらないところです。
そしてこの2種をはじめとして、新しい世代の手帳が登場した平成後期以降における文具ブームの盛り上がりもあり、手帳は実態として、昭和チックなそれから大きく変化していくのです。
(その2につづく)
というわけで、来週をおたのしみに!