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「手帳を昭和だと言ってる人のアタマが昭和なのだ!」では、今手帳とは?令和の手帳の姿を考える その2

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 前回に続いて、今回も令和の手帳について考えてみたいと思います。
 できれば、まず前回の記事をお読みください。その上で今回の記事を読んでいただければと思います。
 かつての年玉手帳の多くは、正規雇用のビジネスパーソンが予定記入欄で予定管理をするのに使われた。同時に便覧として会社の本支店名所在地一覧や社是社訓が掲載されているスタイルでした。

 そして、現在、大手雑貨店や書店で売られている手帳では、当然のことながらそういうコンテンツはありません。あるのは、やりたいことリストだったり、好きなものを記入するページだったりします。

 この年玉手帳と2つの新しい手帳のあいだにはシステム手帳の出現というトピックがあるがこれについても『手帳と日本人』(NHK出版新書)を参照してください。

昭和と令和の手帳を分かつもの:独自のパーソナル情報ページ

 簡単に言えば、昭和と令和の手帳を分かつものの一つが、この自分に関する独自コンテンツページではないかと思われます。

 前述のものもそうだし、見たい映画のリストや読みたい本のリストなどのページがあらかじめ用意されている手帳は増えています。

 それは、老舗メーカーの手帳にも波及してきています。

 一例を挙げれば、NOLTYエクリPlusB6-7(JMAM)は、これまで罫線と方眼ページだった巻末部分に日本と世界の白地図やログページを設けています。

 これはそれまで、やや古いスタイルを守ってきた同社の手帳としては、非常に斬新な試みだと言えます。現時点では老舗手帳メーカーの製品の例としてはこの製品ぐらいでしょう。そして、今後はこういうパーソナル情報(趣味嗜好の記録)記入ページを持つ、大手メーカー製の手帳が増えてくるのかもしれません。

 それはまた、予定管理という手帳本来の機能が、Googleカレンダーを一とするクラウドツールやそれと連携するパソコン、スマートフォンによって代替される割合が、このコロナ禍によっていっそう増えてきたことの結果でもあるのでしょう。別のいい方をすれば、予定管理から解放されたページに、時間軸と予定記入欄以外のどんな記入欄を割り当てるかと言うことでもあります。

NOLTYのロフト限定の手帳。従来型の予定管理用の手帳においても、ログ的な用途が増えている。撮影:ロフト展示会にて
NOLTYのロフト限定の手帳。従来型の予定管理用の手帳においても、ログ的な用途が増えている。撮影:ロフト展示会にて

日玉のないタイプが複数メーカーから登場

 そして、手帳のブランドながら、あるいは手帳を作っているメーカーが、日付や時間軸から完全に自由な手帳を作っている例も出てきています。これについては、又別の機会に触れようと思います。

 ここにあげた変化のトレンド以外に、以前も少し触れた「ほこら系手帳」もあります。手帳の古いイメージから想像できないぐらい多様な実態があるのが令和の手帳なのです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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