子どもへの言葉かけに大切な2つのポイント~元保育士パパが教える【子どもへの言葉かけ】
子育て中のお父さんやお母さんの中には、子どもへの言葉かけを難しく感じている人がいるでしょう。あまり悩まず思ったように言葉をかけている人もたくさんいると思いますが、子育てにおいて子どもへの言葉かけはとても大切です。言葉かけを少し意識するだけで、効果があることは多くあります。
今回のテーマは【子どもへの言葉かけ】です。僕は30年以上保育士として働き、子どもは2人いる父親でもあります。保育士や父親としての自分の経験や反省から、言葉かけに大切だと思うポイントを2つお伝えしましょう。
言葉かけに大切なのは「待つこと」「言葉は少なく、短く」
子どもへの言葉かけに大切なポイントはたくさんありますが、その中で僕自身が最も大切だと思うポイントは「待つこと」と「言葉は少なく、短く」という2つです。僕はせっかちで心配性なところがあり、子どもについ先回りして声をかけてしまいがちでした。また、丁寧に伝えたいという気持ちが強く、言葉が多くなってしまうことが多くありました。そんな自分自身の反省から、今も意識している2つのポイントです。
子どもへの言葉かけに大切なポイント① 待つことが大切
子どもが小さいうちは、自分でできないことやわからないことがたくさんあります。親は子どもを心配して、つい手を出したり言葉をかけたりしてしまいがちです。もちろん危険を伴うことは、援助をしたり気をつけるように声をかけたりすることが必要でしょう。しかし、なんでも親が先回りして援助をしてしまうと、子どもが自分でチャレンジしたり考えたりする機会を奪ってしまうことになります。
子どもが初めてのことをやってみようとするときやわからずに戸惑っているときは、まずは黙って見守りましょう。子どもから「手伝って」と言われたら、「できるからやってごらん」と励ましたり「どうしたらできると思う?」などと子ども自身が考えるように声をかけたりすることが大切です。
子どもは自分一人でやってみて成功したときは大きな達成感が得られ、自信につながります。どうしても子どもができないときや考えても答えが出せないときまで待ち、そこで初めて手伝ったりやり方を教えたりしましょう。子どもが失敗することもありますが、失敗して学べることはたくさんあります。決して失敗を責めずに子どもの努力を称え、次の機会にもう一度チャレンジしようとする意欲がもてるよう励ましましょう。
初めてのことをする場合ではなく、言われたことや毎日やるべきことをなかなかやらなかったり忘れていたりすることもあるでしょう。そのときも声をかけたくなるのを、ぐっと堪えましょう。皆さん自身、親から声をかけられたときに「わかってるのに」とか「今やろうと思ったのに」などと思った経験があると思います。親が声をかけずに子どもが困った状況になることもありますが、子どもがやらないからと結局親がやってしまったら、子どもは「やらなくても親がやってくれる」と思い、ますますやらなくってしまいます。子どもは「自分がやらなかったために困ってしまった」という経験があれば、「次は忘れずにやろう」と思うようになります。今目の前のことよりも子どもの今後に目を向けて、親は黙って見守るということも子育てには必要なことです。
子どもへの言葉かけに大切なポイント② 言葉は少なく、短く
子どもに何か教えるときや注意するときなどに、子どもに理解させようとくどくどと長く話してしまう人がいます。僕もそうでした。しかし、ダラダラと長く話しても、子どもはすぐに理解できないことがあります。叱られて泣いていたり怒って興奮していたりなど、子どもが平常の状態でなければ尚更理解することは難しいです。1回言って理解できれば誰も苦労はしません。
子どもに限らず、すぐに理解できなかったり同じ失敗を繰り返したりするのが人間です。そして、一生懸命話したのに子どもが理解できずイライラしたり「この前言ったでしょ!」などと怒りの気持ちがこみ上げたりすると親も疲れてしまいます。「子どもは1回言ってもわからないこともあるから、繰り返し伝えよう」という気持ちで、子どもに話すときは大事なことや要点だけを簡潔に伝えるように心がけましょう。
子どもへの言葉かけの注意点
子どもへの言葉かけのポイントとして、「待つことの大切さ」と「言葉は少なく、短く」という2つを紹介しました。しかし、「待つこと」と「放置すること」は違います。適切な言葉かけが必要なのであり、言葉かけを全くしなかったり少なすぎたりするのはよいことではありません。
また、すぐに手や口を出さず見守ることは必要ですが、子どもをそのままにして親がどこかに行ってしまうと子どもは不安になります。子どもが「お父さん(お母さん)が手伝ってくれない」という悲しみや心細さを感じないよう、近くで温かく見守りましょう。
そして、「言ってもどうせわからないから」と何も言わないのもよくないことです。理解できないかもしれないけど、伝えなくてはいけないことは口うるさくならないように気をつけながら、簡潔に伝えましょう。
まとめ
子どもへの言葉かけで、言葉や言い方に正解はありません。親や子どもの性格や関係性によっても異なるからです。子どもに声をかけるときに、今回紹介したポイントを意識してみてください。そのときの反応や効果などを見ながら、適切な言葉かけをそれぞれの親子で見つけていきましょう。