【富田林市・河内長野市】待ち遠しい秋祭り!やりまわしの地域もある、2024年だんじりの全日程をご紹介
今年は河内長野市市制70周年を記念して、5月に市内の全だんじり(地車)が10年ぶりに集結してパレードを行いました。
しかし、本来だんじりが動くのは10月からの秋祭りとその前に行われる試験曳きです。すでに河内長野では秋祭り本番の2週間前にあたる昨日9月29日に試験曳きが実施されました。
昨日の夜は南海千代田駅の試験曳きの様子を見てきました。私が見たのは3度(3年)目ですが、ようやくこれを見ると秋祭りの時期が来たんだという気分になってきました。
動画も撮りました。河内長野のだんじりと言えばぶん回しですが、加えて曳歌も聞くことができました。
このように河内長野ではすでに秋祭りがフェイント気味に始まった感があります。しかし、富田林もすでに秋祭りモードに入っています。
このように横断幕が町に登場し、秋祭り気分を盛り上げています。富田林の試験曳きは河内長野と違い、秋祭り前日の金曜日に行われます。
富田林のだんじりは大型で、「しゃくり」と呼ばれる前後左右に揺り動かすのと、だんじりが前後に走ったり、思い切り揺らしながら関係者が大声を張り上げ、まさに「暴れる」という言葉にふさわしい「でんでん」と呼ばれる行為、さらにだんじりの前を舞台にしてミニ芝居(にわか)を奉納します。
それに対して河内長野のだんじりは小型のため、画像のようなぶん回しと呼ばれる前方を下に下げたままクルクル回り続けるのが特徴です。
このほか、曳歌(ひきうた)が、主に富田林で行われます。河内長野は高向地区など、町ではなく、山の近くで曳行するときのみ残っているとのこと。
中にはドリフなどの昭和歌謡曲が歌われるためでしょうか?「カラオケだんじり」と言われたりしますが、私個人としては、だんじりとの違和感はなく、秋の実りをみんなで喜んで歌っているように感じたものです。
ただどうしても、全国的に有名な岸和田のだんじりの「やりまわし」の豪快さと比較されてしまう場合が多いようです。
ところが昨年初めて知ったのですが、南河内でも河内長野の三日市ではだんじりでやりまわしをしているのを見ました。
三日市のだんじりは、河内長野のほかの地域よりもわかりやすいです。画像は今年のもの(外部リンク)ですが、だんじりの無い町の人でもわかりやすいパンフレットが公開されていました。
私個人の意見として、引っ越し後に感じた「よそ者にやさしい町」という印象が強い河内長野ですが、一昨年初めて経験した秋祭りの際には、とても素晴らしい秋祭りと思ったのですが、どうも各町の法被を着用した者同士が楽しむ祭りという印象がありました。このとき、河内長野で初めて「よそ者」だと感じたものです。
しかし、こういうパンフレットがあると、だんじりの無い町の人やよそ者でも、秋祭りを楽しんでほしいという気持ちが伝わります。おかげで私も一昨年と昨年とでは印象が異なったものです。
そしてGPSを搭載して、アプリでだんじりが追跡できるという仕組みを導入したのも三日市のだんじりが昨年からで、他と比べていち早く行われています。
ちなみに今年は河内長野市内のすべてのだんじりで、アプリを使ったGPSでの追跡ができるとのこと。
そのため、昨年の秋祭りの時は、だんじりのGPSを追いかけられるアプリを起動させて、フォレスト三日市の2階にある休憩スペースで、だんじりが三日市町駅に向かってくる様子を追跡できました。だんじりが駅に近づくまでコーヒーを飲みながら待つことができました。
近づいてきたことがわかったので、フォレスト三日市の外に出ると、遠くにだんじりが見えました。
交差点の前で立ち止まりました。
そしていきなり屋根の上にいる大工方が構えると、一斉にだんじりが走り出し、カーブを速度を上げて曲がっていきまさす。これはまさしく岸和田のだんじりと同じ「やりまわし」でした。
まさか南河内地域のだんじりで、やり回しが見られるとは思わなかったので驚きました。
だんじりが順番に来たのでいくつか動画に撮ってみました。
後日調べると、南河内地域でも泉州のやりまわしが行われる地域が一部にあるという記述がみられました。
また南河内のだんじりをテーマにした大学の論文によると、一度衰退した堺のだんじりが昭和50年代に復活した際に、岸和田志向が見られたとあり、堺でも「やりまわし」を導入して、だんじりも岸和田と同じ下地車というタイプに新調するという記載を見つけました。
三日市の「やりまわし」はいつから導入されたのかは明確な情報がなくわかりません。ただ三日市はだんじりのない地域の人でもわかりやすいパンフレットを作成し、河内長野でGPS導入を他の地域に先んじて行うなど、従来とは違った新しいものを取り入れる土壌があります。
ここからは想像になりますが、堺のように岸和田の人気ある豪快なやりまわしを河内長野でも導入したいという考えがあったのかもしれません。
河内長野は富田林にあるような石川型の大型だんじりではなく、岸和田にあるような小型のだんじりで、ぶんまわしができることから、やりまわしも可能とということで、比較的道幅が広くて、危険性の少ない三日市町駅前で披露しているものと考えられます。
さて、今年のだんじりの日程を紹介しましょう。SNSなので断片的な情報や2年間実際に訪問した情報、だんじりの日程に詳しいサイト(外部リンク)などの情報でようやく日程について確認できました。宮入は基本的に一部を除いて土曜日で、午前中から昼間にかけてです。
1、富田林
富田林は2週にわたってだんじりが楽しめます。喜志の宮こと美具久留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)の祭礼は10月の第3土日で、関係する町は宮、桜井、川面、喜志、木戸山、喜志新家、平、尺度、中野、新堂、若松一と寺内町、若一ひよこ会の子どもだんじりです。2024年は10月19日土曜日と20日日曜日の予定です。
尺度は羽曳野市内の地区ですが、美具久留御魂神社に宮入りする理由は以前紹介しました。子どもだんじりのうち、若一ひよこ会子どもだんじりを調べると2010年代の記録しかないので今年はどうなのか未確認です。
注意したいのは、通常宮入は土曜日に行われますが、美具久留御魂神社の宮入は日曜日で、宮入の当日に俄(にわか)が披露されます。美具久留御魂神社の俄は昔ながらの本格的なものが体験できます。
美具久留御魂神社
住所:大阪府富田林市宮町3丁目2053
アクセス:近鉄喜志駅から徒歩13分
錦織神社は10月の第2土日に行われます。昨年はスポーツの日がらみの連休ではなく翌週の14日、15日に行なわれました。甲田、廿山、錦織、宮甲田、新家、五軒家、伏山、須賀、加太です。宮入は土曜日で、2024年は10月12日土曜日と13日日曜日の予定です。
錦織神社
住所:大阪府富田林市宮甲田町9-46
アクセス:近鉄川西駅から徒歩8分
東條にある佐備神社は、10月の第3土日に行なわれ、2024年は10月19日土曜日と20日日曜日の予定です。上佐備、中佐備、下佐備の3つのだんじりが土曜日に宮入するそうです。
佐備神社
住所:大阪府富田林市佐備467
アクセス:近鉄富田林駅からバス 下佐備バス停から徒歩3分
彼方春日神社は、10月の第2土日に行われます。2024年は10月12日土曜日と13日日曜日の予定です。宮入は土曜日で彼方、伏見堂、嬉の3つのだんじりです。
彼方春日神社
住所:大阪府富田林市彼方329
アクセス:近鉄滝谷不動駅から徒歩16分
板茂神社は、西板持のだんじりが宮入します。10月第3土日とのことで、宮入は土曜日とのこと。2024年は10月19日土曜日と20日日曜日の予定です。
板茂神社
住所:大阪府富田林市西板持町8丁目7-39
アクセス:近鉄富田林駅からバス 西板持幼稚園前から徒歩2分
大伴黒主神社は、山中田のだんじりだけが宮入します。10月第3土日とのことで、宮入は土曜日とのこと。2024年は10月19日土曜日と20日日曜日の予定です。
大伴黒主神社
住所:大阪府富田林市山中田町3丁目
アクセス:近鉄富田林駅からバス。楠徳寺かがりホール前バス停から徒歩10分
河南町にある一須賀神社に、富田林のだんじりが宮入りします。美具久留御魂神社の尺度同様に、現在の自治体の境界線とは無関係で行なわれるんですね。10月第3土日とのことで、宮入は土曜日とのこと。2024年は10月19日土曜日と20日日曜日の予定です。富田林からは南大伴、北大伴で、このほか河南町の一須賀、山城、大ヶ塚、東山が宮入します。
一須賀神社
住所:大阪府南河内郡河南町一須賀628
アクセス:近鉄富田林駅からバス 一須賀バス停下車徒歩5分
千早赤阪村にある建水分神社にも、富田林の一部のだんじりが宮入します。10月第3土日とのことで、宮入は土曜日とのこと。2024年は10月19日土曜日と20日日曜日の予定です。富田林からは南別井、北別井、東板持が宮入に参加します。
建水分神社の宮入は神社境内ではなく御旅所(おたびしょ)というのが特徴です。神社に行かないようにしましょう。富田林以外では千早赤阪村の水分、森屋、川野辺、二河原辺、桐山と河南町の芹生谷、中、神山、寛弘寺、白木、長坂、今堂、寺田、長坂、今堂、南加納、北加納、下河内と多くのだんじりが集結します。
建水分神社(御旅所)
住所:大阪府南河内郡千早赤阪村水分
アクセス:近鉄富田林駅からバス 森屋バス停下車徒歩5分
2、河内長野
河内長野は、市内すべての地域で同じ日程で行われます。10月のスポーツの日のある連休がらみの土日に秋祭りが行われ、2024年は10月12日土曜日・13日日曜日です。
両日は市内の交通網に影響が出る(外部リンク)ということで、市内のあちらこちらに注意書きの看板が出ます。
長野神社は、長野だけが宮入りします。だんじり小屋も神社境内にあるとのこと。市制70周年記念のときもそうでしたが、河内長野の「長野」の意味(旧長野村)もあるので、だんじりパレードのときはいつも先頭です。
長野神社
住所:大阪府河内長野市長野町8-19
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩3分
西代神社は、西代、上原、石坂、野作、下西代、上古野、原が宮入りします。
日曜日の夜、秋祭りの最後に河内長野駅に集結して最後のパレードを行うのは西代神社に宮入するだんじりと長野、それにだんじりのない町も含めた河内長野市の青少年を育成することを目的とした、汗成塾育成会のだんじりが参加します。
西代神社
住所:大阪府河内長野市西代町16-5
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩15分
高向神社は、高向上町、高向中町、高向下町の3つが宮入します。同時に日野地区の獅子舞も登場するので非常に華やかです。
そして高向のだんじりは、日曜日の昼間の河内長野駅のパレードにも参加していました。
高向神社
住所:大阪府河内長野市高向291
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 上高向バス停より徒歩4分
千代田神社は、市町東、市町西、松ヶ丘、千代田石坂、楠町、向野、木戸本郷、鳴尾が参加します。
千代田神社
住所:大阪府河内長野市市町469
アクセス:近鉄汐ノ宮駅から徒歩6分
烏帽子形八幡神社は、喜多、上田、小塩の3つのだんじりが宮入します。
烏帽子形八幡神社
住所:大阪府河内長野市喜多町305
アクセス:南海三日市駅から徒歩17分
美加の台の中にある赤坂上之山神社では、三日市南部、三日市北部、片添の3つのだんじりが宮入します。そして烏帽子型八幡神社へ宮入するだんじりと合わせて三日市地区のだんじりというひとくくりになっているようです。
赤坂上之山神社
住所:大阪府河内長野市美加の台1丁目25-2
アクセス:南海美加の台駅からバス 上之山神社前バス停より徒歩10分
そして、独自の動きをしているのが加賀田地区です。加賀田フェスティバル(外部リンク)の一環として、子どもだんじりが登場します。日程は河内長野市内のほかのだんじりと同じです。
だんじりの曳行ルートも発表されていました。南青葉台から加賀田の奥にある大江時親邸のあたりまで行き、加賀田小学校前などのいくつかのスポットを経由して加賀田中学校までのルートを土日に往復するとのことです。
河内長野市立加賀田中学校
住所:大阪府河内長野市石仏570
アクセス:南海美加の台駅から徒歩21分
最後になりますが、河内長野市制70周年のだんじりパレードの直後にだんじりの歴史についての公民館セミナーが南花台でありました。
山車や鉾などだんじり以外の事例などの紹介があり、河内長野のだんじりが広がる過程などの内容でした。
岸和田ほどメジャーではないけれど、富田林の大型だんじりや河内長野のだんじりは独自に進化しているところがあるので、もっと多くの人に知られてもいいなと思います。
そのためにもこのようなだんじりを学べる機会や身近に触れることができる機会を、秋祭りとは別に、毎年のようにあればと思いました。
ぜひ、南河内の秋祭りだんじりを楽しんでください。
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