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岡部怜央四段、現在記録3部門で1位 服部慎一郎六段、勝率9割超 藤井聡太七冠、連勝は9でストップ

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2024年度の将棋界も折り返し地点を過ぎました。現在は下半期の日程が進行中です。

 記録ランキングに目を向けてみると、まずは岡部怜央四段(25歳)の好調ぶりが目をひきます。10月23日の対局終了時点で、今年度成績は28勝5敗(勝率0.848)です。


 岡部四段は現在のところ対局数(33局)、勝数(28勝)、連勝(16連勝)の3部門で1位に立っています。

 岡部四段は加古川青流戦では決勝三番勝負まで進出。惜しくも上野裕寿四段(21歳)に2連敗し、準優勝となりました。



 岡部四段の5敗のうち、3敗は上野四段というのも興味深いところです。両者はC級2組順位戦で現在4勝1敗。もちろん有力な昇級候補です。

 

 勝率部門で1位を走るのは服部慎一郎六段です。


 服部六段の現在の勝率は0.913(21勝2敗)。中原誠五段(現16世名人)が1967年度に記録した年間最高勝率(0.8545)更新の期待もかかるところです。

 現時点で通算勝率が7割を超えている棋士は以下の4人しかいません。

藤井 聡太七冠 0.833(383勝77敗)

藤本  渚五段 0.782(79勝22敗)

服部慎一郎六段 0.748(175勝59敗)

伊藤  匠叡王 0.735(155勝56敗)

 服部六段は新人王戦決勝三番勝負で高田明浩五段(22歳)に連勝。自身2度目の新人王戦優勝を飾りました。


 服部六段は現在、B級2組順位戦でただひとり5連勝。現在はトップクラスへと駆け上がっていく過程にあるのかもしれません。

 記録部門の上位常連である藤井聡太七冠(22歳)。今年度の成績は19勝6敗(勝率0.760)です。


 竜王戦第2局で佐々木勇気八段に敗れ、連勝が9で止まるとともに、定位置である勝率8割からも少し遠ざかりました。8年連続の勝率8割台達成はなるでしょうか。

 10月25日・26日には竜王戦第3局がおこなわれます。


将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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