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最近よく聞く「クレカのタッチ決済」 実はクレカ以外でも使える #専門家のまとめ

山口健太ITジャーナリスト
タッチ決済が利用できるデビット・プリペイドカードの例(筆者撮影)

熊本の交通事業者が全国交通系ICカードを廃止し、新たにクレカのタッチ決済を導入するとの発表が話題になりました。今後、こうした事例が全国各地に広がるとの予想も出てきています。

ところで、クレカのタッチ決済に対して、「クレカを持っている人しか使えない」と誤解している人が少なくないようです。実際には、国際ブランドのついたデビットカードやプリペイドカードでもタッチ決済に対応したものが増えており、クレカが必須というわけではありません。

ココがポイント

▼タッチ決済を日常的に利用する人は、クレジットカード利用者の50%、デビットカード利用者の35%に達しているとの調査

クレカ利用者の半数は「タッチ決済」を日常利用、コード決済利用率は過去最高値68%。学ぶべき金融知識2位「キャッシュレス決済」、キャッシュレス派自認は約7割(インフキュリオン)

▼デビットカードやプリペイドカードでも、電波のアイコン(リップルマーク)がついていればタッチ決済を利用できる

タッチ決済ご利用方法 | コンタクトレス決済ご利用方法(Visa)

▼三井住友銀行「Olive」口座のカードは、クレジット・デビット・プリペイドの切り替えが可能。未成年もデビットで利用できる

Oliveフレキシブルペイとは(三井住友カード)

▼7月から始まる万博電子マネー「ミャクペ!」。プリペイドの電子マネーをVisaのタッチ決済で利用できる

ミャクぺ!ミャクポ!ミャクーン!EXPO2025でレア体験をしよう!(公益社団法人2025年日本国際博覧会協会)

エキスパートの補足・見解

たしかに、「クレカのタッチ決済」という言葉を文字通りに受け取ってみると、クレジットカードを用いた決済手段であると理解するのは当然といえます。

単に「タッチ決済」と表現することもありますが、カードをかざす動作自体はSuicaなどの電子マネー、iDやQUICPayも同じなので、混同されることがあります。英語圏ではコンタクトレス決済(Contactless payment)といえばすぐに伝わるものの、日本語でぴったり当てはまる表現はなかなか見当たりません。

三井住友カードのstera端末の案内。「クレジット/デビット/プリペイド」と明記されている(筆者撮影)
三井住友カードのstera端末の案内。「クレジット/デビット/プリペイド」と明記されている(筆者撮影)

「クレジットカード」とだけ書かれている場合でも、たいていはデビットやプリペイドも利用できる(筆者撮影)
「クレジットカード」とだけ書かれている場合でも、たいていはデビットやプリペイドも利用できる(筆者撮影)

英国におけるタッチ決済が使えることを示す掲示物(筆者撮影)
英国におけるタッチ決済が使えることを示す掲示物(筆者撮影)

かつては店員さんにタッチ決済を理解してもらえないという問題もありました。これも一言で伝わるような表現がなかったことが原因の1つと筆者は考えていますが、利用者が増えてきたことでようやく解決に向かっている印象はあります。

そういう意味では、7月に始まる大阪・関西万博の電子マネー「ミャクペ!」にも期待しています。プリペイドの電子マネーとして、万博会場以外でもVisaのタッチ決済やiDに対応した場所で広く利用できることから、タッチ決済の普及には追い風になりそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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