久々の対戦は「ジャイキリ未満」(天皇杯4回戦: ジェフユナイテッド千葉1-0北海道コンサドーレ札幌)
プロ・アマ問わず、日本サッカー界のナンバーワンを決めるトーナメント大会、天皇杯 JFA 第104回全国日本サッカー選手権大会(以下、天皇杯)は、4回戦(ラウンド16)に突入。8月21日、8試合が各地で行われた。
今回のチョイスは、フクダ電子アリーナで開催された、ジェフユナイテッド千葉(J2)vs北海道コンサドーレ札幌(J1)。カテゴリーでは札幌が上だが、現在はJ1で最下位の20位。千葉はJ2で8位となっている。さっそく写真と共に振り返ってみることにしたい。
試合前、野々村芳和Jリーグチェアマンにばったり遭遇した。前職は札幌の会長だったが、一方でプロデビューしたのは千葉(当時は市原)。古巣同士の対決に、チェアマンは何を思っただろうか。
形の上では、J2クラブがJ1クラブに競り勝った、この試合。私の印象は「ジャイキリ未満」である。「高温多湿なこの気候での連戦は、両者に取って非常に厳しい環境だった」とペトロヴィッチ監督。結局のところ、運動量をコントロールしながら見事に逃げ切った千葉のほうに、カテゴリーを超えた試合巧者の印象を受けた。
4回戦の他の試合では、レノファ山口FCがサガン鳥栖に2-0で勝利し、初のベスト8進出を果たした。準々決勝の組み合わせは以下のとおり(会場は未定)。
試合日にばらつきがあるのは、横浜FMと神戸がAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)、広島がAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に出場するためである。この3クラブに加えて、鹿島とG大阪もJ1上位をキープ。こうした状況は、天皇杯での戦いにも、少なからず影響を与えるはずだ。
一方でJ2勢の千葉と山口は、さらに上を目指すチャンス。千葉は2回のベスト4の経験があるが、山口は完全なる未体験ゾーンに突入する。J1勢とJ2勢、それぞれの戦いに、引き続き注目したい。
<この稿、了。写真はすべて筆者撮影>