Yahoo!ニュース

源泉かけ流しの湯船がある「東京近郊の日帰り温泉」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

都心部に住む人にとって街中にある温泉施設は「都会のオアシス」ともいえる存在だろう。

しかし、もともと自然に温泉が湧き出す場所ではなく、地中深く汲み上げることになるため、どうしても湧出量は少なくなる。また入浴客が多いため、衛生面の観点からも殺菌しながら湯を使いまわす循環ろ過方式が採用されがち。つまり、源泉かけ流しの湯船は限られる。しかし、東京近郊でも源泉かけ流しの湯船をもつ施設は少なくない。

そこで今回は、東京近郊で源泉かけ流しを楽しめる日帰り温泉を5カ所紹介したい。

前野原温泉・さやの湯処(東京都)

板橋区の市街地にあるスーパー銭湯。23区内にありながらも、露天風呂のスペースにはうぐいす色に濁った源泉がかけ流しにされた湯船もある。濃厚で個性的な湯を都内で楽しめるのはありがたい。庭園を見ながら食べられる食事処は蕎麦などのメニューが人気で、都会にいることを忘れてしまいそうになる。

百観音温泉(埼玉県)

久喜市東鷲宮にある日帰り温泉。埼玉県内の住宅街とは思えないほど豊富な湧出量を誇り、内湯、露天ともに源泉かけ流しで提供されている。泉質はナトリウム-塩化物強塩温泉で、塩分が濃厚な温まる湯である。この湯に毎日入るために移住したくなるほど。JR東鷲宮駅から徒歩3分とアクセスもよい。

宮前平温泉・湯けむりの庄(神奈川県)

川崎市の宮前平駅から徒歩でアクセスできる市街地のスーパー銭湯。さまざまな種類の湯船があるが、露天にには源泉かけ流しの湯船もある。コーヒーのような茶褐色の濁り湯はインパクトのある源泉で、いわゆるモール泉の一種だろう。休憩室や岩盤浴、食事処など施設が充実し、タオルや湯上がり後の衣服も貸し出しているので、手ぶらでもゆっくり時間を過ごすことができる。

見沼天然温泉・小春日和(埼玉県)

さいたま市内にあるスーパー銭湯。約38度のぬるめの源泉がかけ流しにされている。通常のスーパー銭湯はぬるい湯は万人受けしないため加温してしまうが、自信をもってぬる湯の源泉を提供している。気温が高い季節は特に気持ちよく、ぬる湯を存分に楽しめるのはうれしい。ただし、成分の濃い湯なので長湯には注意。

熊谷天然温泉・花湯スパリゾート(埼玉県)

熊谷市にある日帰り温泉。都心からは電車で約90分。非日常感を得るにはちょうどいい距離だ。いわゆるスーパー銭湯だが、源泉かけ流しの檜風呂には、わずかに黄色をおびた透明湯がかけ流し。体感の泉温は38度くらいのぬる湯。わずかに硫化水素の香りも漂う湯は、地中の植物成分が溶け込んだモール泉の特徴を備える本格派だ。スーパー銭湯の湯とは思えないほど良質な源泉が楽しめる。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

高橋一喜の最近の記事