【相模原市】知る人ぞ知る日本の名酒!希少"神奈川県で最も古い歴史ある蔵"をもつ「清水酒造」へ
はらぺこライターの旅人間です。10月1日は「日本酒の日」ってご存知でしたか?十二支では10番目に当たる10月は「酉(とり)」の月、この文字は壷の形を表す象形文字で酒を意味するのだとか。また、10月は新米を収穫し、酒造が酒づくりを始める季節でもあることから日本酒の日となったそう。
そこで今回は、神奈川県で最も古い歴史をもつ蔵で知られている「清水酒造」の名酒について紹介しましょう。
清水酒造は神奈川県相模原市緑区にある。
圏央道相模原ICから車で約10分、津久井街道と呼ばれている国道412号から県道65号沿に折れると煙突が見えてくる。店頭には大きく「巌乃泉 (いわおのいずみ)」の看板がでているのでスグわかる。
私が訪問した時、横浜から車を運転して来たという夫婦に出会った。「ここの酒が一番美味い」「10年ほど前から毎年買いに来ている」と話す。市場にはあまり出回っていない名酒を求め人々は足を運ぶのだ。
取締役の清水圭太さんに話を聞くと、遠方から直接買いに来てくれるお客さんは多いそうだ。「(建物が)昔からのつくりだからね」と少し苦笑いをしながらも、「美味しい、美味しい」と言って足を運んでくれる清水酒造ファンの方々に会えるのが嬉しそう。
商品が並ぶ店頭の奥には酒造りの作業場が見える。「あそこで作業されてるんですか?」と聞けば、米を洗ったり、蒸かしたり、冷却したり、季節とタイミングが合えば、そんな様子が見られることもあるという。
昔は「通い徳利」を持ってお客さんが直接来ていたという。升で計って入れていたのだとか。店頭にはその当時の名残が残されている。
清水酒造の酒はどんな酒?
清水酒造は徳川九代将軍家重の時代、宝暦年間(1751年)の創業だ。
水への強い”こだわり”を持ち、5代目の時により良質な水を求め現在の場所へ移転したという。そして「丁寧に造り、丁寧に売る」という姿勢は、創業当時から変わっていない。
「良いものを作ろうと思えば、基本に忠実にしなくてはいけない。人手もコストもかかるけど、やっぱり原材料なんです」と清水さん。
蔵の中で熟成することで価値が高くなるものを目指しているという。香りに頼るのではなく「含み香」を重要な要素としている。
同店の代表作「巌乃泉」は、控えめで大人しいけどしっかりとした芯がある。ゆっくり料理とあわせて味わっていくごとに良さがわかってゆく。
「最初はおとなしいけど、杯を進めていくごとに、なるほどね!とわかってもらえるものになる」と。最初のインパクトだけという酒ではないのだ。
「良い原材料で、良い処理の仕方をするのが大事。そこさえ”しっかり”しておけば、バランスが崩れることはない」と清水さん。
昔から甘口か辛口かといわれるが、甘い辛いだけでなく、苦み、渋み、酸味といったバランスが整った調和が大事。
利き酒をして、すぐに答えが出ない点も狙いだとか。空気を含ませながら探れば、甘、酸、辛、苦、渋の五味が調和して、それぞれ楽しめるような味を求めているのだという。
昔からの酒飲みは「燗酒(かんざけ)で飲みたい」というが「それはごもっとも」と清水さんは続ける。温度が高くなると味が膨らんで酒の特徴がより分かりやすくなるからだ。
そう言えば、時代劇で「冷酒を飲むほど落ちぶれちゃいない」なんてシーンを目にする事があるが、なるほど!そんな意味だったのか…。
やっぱり名酒は一味違う。美味い酒を探してる方は、この市場にあまり出回っていない名酒は要チェックだろう。
清水酒造
住所:神奈川県相模原市緑区中野1322
電話番号:042-784-0010
営業時間:9:00〜17:00
公式ホームページ(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:清水酒造