はらぺこライターの旅人間です。今回は岐阜市から食レポです。”みそかつ”と言えば名古屋名物で知られるが、実は東海地方の全域で食べられている。

つまり岐阜県でも同様に名物なのだ。しかも、岐阜市には「みそかつ発祥店」といわれている店もある。

これは気になる…。ということで行ってみた。

この店の名前は「元祖 みそかつの店 一楽」という。柳ヶ瀬商店街にある小さな店だ。創業は1957年（昭和32年）の老舗で、もともとは高島屋の南側にあったが2020年に現在の地に移転したそうだ。

お店の前に到着し、店頭に貼ってあるメニューを見てみると、定番の「みそかつライス」があり、その下の方に書かれている「かつ丼」が妙に気になった。

卵とじのかつ丼に”みそだれ”がかかっているとある…。

このタイプはあまり見た事ないぞ！

そこで店主に「みそかつの発祥店」について、また「かつ丼」についても聞いてみることにした。

同店は店主の祖父が始めた店で、親から聞いた話によると「どて煮の鍋に串カツが落ちて食べたら美味しかったから」「お客さんが味噌かけてと言われメニュー化した」といったエピソードがあるそうだ。

ただ、「みそかつ発祥店なのか？」と言われたら、正直に分からないという。現代のようにネットがあったわけでもなければ、情報に溢れていた時代でもないからだ。正確なことは分からないそうだ。

ただ、創業当初から愛されていた味ということは間違いはない。

続いて「かつ丼」に関しても聞いてみた。卵とじのいわゆる関西に多いタイプの”かつ丼”で、その上に”みそだれ”がかかっているのって珍しいですよね？

店主曰く「子供の頃から当たり前に食べてたので、かつ丼は全てこうだと思っていた」と話す。「確かに、他ではあまり見ないですね…」と照れ笑い。その人柄に何だか吸い込まれそうになる。

それにしても、この味…妙にハマる常習性がある。

アツアツで”とろっ”とした卵とじに甘い味噌がチョッロとかかっている。味噌味噌と強調しない”さりげなさ”もまた良い。

それに、この不思議なレトロ感も気に入った。

「みそかつ」はこの東海エリアには多くあるが、この「かつ丼」は珍しいのではないだろうか。ただ単に私が知らないだけかもしれないが、歴史を感じる味わいにジワッと来る。アットホームな雰囲気も良い。また食べに来よう。

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