【ワインの歴史】貴族が飲んでいた!古代中国の人々はどのようなワインを飲んでいたの?
古代中国のブドウ酒の歴史を語ろうと思えば、それは時間を超えた壮大な宴の物語です。
なんと、河南省嘉湖村から発見された陶器の破片が、紀元前7000年まで遡る米やブドウの酒の痕跡を物語っています。
これが世界最古のアルコール飲料だと言うのだから、現代のワイン愛好家たちも膝を叩くことでしょう。
もっとも、中国では「ワイン」と呼ばれるものが実はアルコール度数20%の黄酒であることも多く、古代人たちはなかなかユニークな解釈をしていたようです。
さらに話を進めると、紀元前2世紀、張騫が西域を探検し、中央アジアの大宛やバクトリアからブドウ酒が中国に運ばれてきたといいます。
アレキサンダー大王の遺産たるヘレニズム文化がここにも影響を及ぼしたわけです。
だが、当時のブドウ酒は貴族の贅沢品として限られた存在で、一般庶民がその芳香を楽しむには至りませんでした。
唐代になると交易が活発化し、再びワインが舞い戻るが、これも宮廷の専売品です。
宋の時代にようやく貴族たちの宴席に広がったものの、元代には米酒が再び主役の座に返り咲きます。
この移り気な酒文化は、マルコ・ポーロも「なんとまあ」と驚嘆したに違いないでしょう。
結局、中国のアルコール史とは、時に芳醇で、時に奇抜な酩酊の冒険譚なのです。