【ワインの歴史】新大陸や南半球にも伝わっていった!近代の人々はどのようなワインを飲んでいたの?
さて、世にワインというものが如何なる軌跡を辿って今に至ったのか、その一端を垣間見る機会に恵まれたのであるが、これがまた壮大なる物語であったのです。
ことの始まりは、スペインの征服者たちがカトリックの聖餐用にブドウを新大陸に持ち込んだことにあります。
彼らはメキシコの地にブドウを植え、そこから「ミッションブドウ」と呼ばれる品種が生まれました。
しかし、これはただの幕開けに過ぎません。
16世紀には、メキシコがスペインの生産量を脅かすまでに至り、スペイン王がその生産を抑えようとした、などという小説じみた話さえ伝わっています。
時は進み、19世紀後半のヨーロッパを蝕んだフィロキセラ禍。
この害虫はヨーロッパのブドウ畑を壊滅寸前に追い込んだものの、アメリカ原産のブドウがこれに耐性を持つと知るや、人々はこぞってその台木を求め、接ぎ木という技法を駆使してワイン文化を蘇らせたのです。
この悲劇と革新の交錯は、ワイン産業の進化を象徴しています。
新世界に目を向ければ、カリフォルニア、アルゼンチン、チリがその中心に鎮座しているのです。
ジンファンデルやマルベックといった名高い品種が生まれ、ついには1976年のパリ品評会において、新世界のワインが旧世界のそれと肩を並べるという快挙を成し遂げました。
この出来事は、まるで映画のクライマックスのような劇的な瞬間であったに違いないでしょう。
また、南半球では、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカといった国々が独自の道を歩んできました。
特に南アフリカは、18世紀にはヨーロッパ最大のワイン輸出国であったという記録も残っています。
彼らの歴史はアパルトヘイトや市場の孤立といった困難を含みつつも、科学的進歩と機械化の力を借りて品質を高め、世界にその名を轟かせるまでに至りました。
こうしてワインは、大陸を跨ぎ、歴史を紡ぎ、いまや世界中の人々に愛される存在となったのです。
いやはや、ワインの物語は尽きることがありません。