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津波注意報 宮城県 海岸から離れる

斎藤秀俊水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授
繰り返して津波は来る可能性がある(筆者作成)

 20日18時09分頃に発生した地震では、宮城県に津波注意報が発生されました。海の様子を決して見に行かないでください。津波は繰り返して押し寄せる可能性があります。

 NHKによれば、津波はすでに到達とされています。ただ、津波は繰り返し襲来します。海の様子は決して見に行かないでください。

 港では防波堤の構造によっては天端に津波が上がってきて、防波堤の逆側に押されて落水することがあります。防波堤で釣りをしている人は大至急避難しなければなりません。

 岩場では入り組んだ岩の構造で津波がせり上がり、海に引っ張られる可能性があります。大至急陸の高い所に向かってください。

 砂浜では浜の奥まで海水が薄く広くあがってきます。そして、戻り流れなどによって海に引っ張られる可能性があります。大至急砂浜から離れてください。

 河口付近では津波が集中して高さがせり上がります。堤防上にいても上がってきた水位に足下をすくわれて、川とは逆方向に流されます。大至急で陸側の遠いところに逃げます。

 NHKによる津波到達予想時刻です。

 石巻港 18:20

 仙台港 18:40

 予想される津波の高さは1 mです。防波堤に押し寄せれば、その数倍の高さにせり上がります。岩場ではせり上がった波に体が岩にたたきつけられます。砂浜では数十mの距離で砂浜奥に上ってきます。

 考えているよりも、水際ではインパクトが大きくなります。1 mの高さでも油断してはなりません。

 海水温はまだまだ低い時期です。浮いていれば助かるというレベルではありません。波にのまれて浮いていられても、数時間で命を失うほどの水温です。水に落ちること、流されること、絶対に避けなければなりません。

18時41分 追加

19時30分 津波注意報は解除 (NHKニュースより出展)

水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授

ういてまて。救助技術がどんなに優れていても、要救助者が浮いて呼吸を確保できなければ水難からの生還は難しい。要救助側の命を守る考え方が「ういてまて」です。浮き輪を使おうが救命胴衣を着装してようが単純な背浮きであろうが、浮いて呼吸を確保し救助を待てた人が水難事故から生還できます。水難学者であると同時に工学者(材料工学)です。水難事故・偽装事件の解析実績多数。風呂から海まで水や雪氷にまつわる事故・事件、津波大雨災害、船舶事故、工学的要素があればなおさらのこのような話題を実験・現場第一主義に徹し提供していきます。オーサー大賞2021受賞。講演会・取材承ります。連絡先 jimu@uitemate.jp

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