【京都市上京区】聖地巡礼紫式部ゆかりの京都御所東を歩く 萩の宮で花満開 邸宅跡では桔梗が最後の輝き!
仏教各宗の寺院・神社で行われている「おみくじ」の創始者は元三慈恵大師良源上人(912年~985年)といわれています。元三大師が観音菩薩に祈念して授かった百の言葉が原型とされ、江戸時代はじめに番号と言葉からなる「元三大師百籤」が作られて、おみくじの元祖となったのだとか。
その比叡山天台18世座主元三大師良源によって天慶年中(938年~947年)に船岡山の南に創建されたのが蘆山寺です。その後、寛元3年(1245年)に法然の弟子の覚瑜が船岡山の南麓に再興して、廬山天台講寺と号し、さらに天正年間(1573年~1593年)に現在地の寺町通に移転してきました。
現在放映中のNHK大河ドラマで吉高由里子さんが演じる紫式部は、「平安京東郊の中河の地」すなわち現在の廬山寺の境内に住み、結婚生活を送り、一人娘の賢子を産んだといわれ、「源氏物語」「紫式部日記」「紫式部集」などは、ほとんどこの地で執筆されたものだといいます。
その蘆山寺の庭園では2024年10月24日、桔梗の花々が今年最後の輝きを放っていました。寺務所によると、「猛暑の影響でこの季節でも鑑賞できますよ」とのことでした。
蘆山寺から寺町通を挟んで向かい側には、「萩の宮」として知られる梨木神社があります。京都御所清和院御門に隣接し、文学と学問の神様として、幕末動乱期に活躍した三條實美(さねとみ)やその父三條實萬(つねさむ)を祀っています。
この梨木神社周辺は、源氏物語第2帖「帚木(ははきぎ)」、第3帖「空蝉」、第11帖「花散里(はなふるさと)」の舞台となった場所といわれています。境内の至る所で萩の花が薄紫に輝いていました。
11月9日には、神社舞台で「第1回京都やおよろず文学賞」授賞式が開催され、竹のオブジェに包まれた「萩のアーチトンネル」も誕生するそうです。
ようやく秋風の吹く心地よい季節となったこの時期に、文学の息吹にふれながら聖地巡礼してみてはいかがですか!
蘆山寺(外部リンク)京都市上京区寺町通り広小路上る北之辺町397 075-231-0355
梨木神社(外部リンク)京都市上京区染殿町680 075-211-0885