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叱ると拗ねる子に試してみて!「話す順番を変えるだけ」で子どもが聞くようになるその理由を保育士が解説

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている保育士です。
今回は頂いたご質問はこちら。

Q:5歳の娘は私たちが少しでも叱るとすぐに拗ねてしまって、話を聞こうとしなくなります。叱らずに話せる時はそうしていますが、毎回それができるわけではないので困っています。良い方法があれば教えてください。

子どもたちが大人を困らせる行動に1つにすぐに拗ねたり、いじけたりしてしまうといったものがありますね。
この行動自体は子どもらしくて可愛いものですが、ちょっと叱っただけで毎回そうなってしまっては親として困ってしまうもの。
こんな時、私たちは子どもとどのように関わっていけば良いのでしょうか?
そんな時の解決方法についてご紹介していきたいと思います。

これで解決!

そんな悩みを解決するには、子どもを叱るのを最後にしてみると良いでしょう。
例えば、以下の2つの親子のやり取りを比べてみてください。

ケース1

娘「友達が私のおもちゃを勝手に取るから叩いたの!」
母「でも叩くのはいけないことでしょ?いつも口で言いなさいって言っているじゃないの!」
娘「でも何も言わないで急に取っていっちゃったんだよ!?」
母「まぁそれは嫌だったね・・・それでも、やっぱり叩いたらダメよ」

ケース2

娘「友達が私のおもちゃを勝手に取るから叩いたの!」
母「まぁ!それは嫌ね。それでどうしたの?」
娘「“待って”って追いかけたけど、聞いてくれなかったから背中を叩いちゃった」
母「そうか、それは大変だったね。でも叩くのはいけないことでしょ?いつも口で言いなさいって言っているじゃないの」

いかがでしょうか?
いずれのケースにおいても子どもの叱り方は変わっていません。
ところが、子どもの目線で考えた時に、ケース1は「やっぱり私の話は聞いてくれないんだ」と諦めるような気持ちになる一方で、ケース2では「ママは私の味方でいてくれるんだな」となんだか温かい気持ちになりませんか?
このように、子どもの行動に対して「これはダメだ」「叱らないと」と考えていると、最初から子どものことを否定しがちです。
しかし、その気持ちを一時的にこらえ、受容的に子どもの話を聞いてから大人の意見を伝えることで、子どもたちが受ける大人の印象は大きく変わってくるのです。
そもそも、子どもの“拗ねる”という行動は大人に自分の話を聞いてほしい時に出てくるもの。
まずは子どもの話を受け入れることで、そういった行動はなくなり、大人の話を素直に聞き入れてくれることが増えていくでしょう。

拗ねる子とは適切な距離感を

子どもが拗ねる理由は、「自分の話を聞いてほしい」などといった相手から注目されたいことです。
そんな中で、拗ねてしまった子のご機嫌をとるように大人が下手に出て関わるとどうでしょうか?
おそらく、「こうすれば大人は私の言うことを聞くのか」と学び、同じような状況があれば次も同じように拗ねることでしょう。
反対に、拗ねる子を無視するとどうなるでしょうか?
これなら、「こうすれば大人は私の言うことを聞くのか」と学ぶことはないと思います。
その一方で、「違う方法を試してみないと」と別の方法を探りながら、なんとか大人を振り向かせようとするようになります。
こうなってしまうと、

・大声で奇声を発する
・服を引っ張って邪魔してくる

というような、ますます大人をイライラさせる不適切な行動へと移っていき、適切な方法で大人を振り向かせようとすることはなくなってしまいます。

拗ねた子に必要なのは絶妙な距離感です。
「大丈夫?何かあったら聞くからね」と一言声をかけておくだけで、後は何かしてあげる必要はありません。
「あのね・・・」と子どもの方から話に来てくれた時には、「待っていたよ!」と喜んで受け入れてあげると良いでしょう。
つまり、大切なのは“適切に働きかければいつでも受け入れてもらえるんだ”という安心感を保障した上での見守りです。
この絶妙な距離感が子どもとの間で掴めるようになってくると、子どもたちの行動は少しずつ変わってくると思います。

いかがでしょうか?
子どもが拗ねてしまうと「大丈夫?」「さっきはごめんね」とつい言いたくなってしまうもの。
しかし、グッと堪えて子どもたちからの言葉を待つことで、子どもたちの姿はどんどん変わっていくことでしょう。
その他、育児や保育園などの子どもに関する質問はぽん先生の質問フォームより募集中です!

保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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