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復活期す坂口智隆、2年越しの1500安打達成へ~2020年ヤクルト注目の記録・その2

菊田康彦フリーランスライター
2020年シーズンの開幕を待つヤクルトの本拠地・神宮球場(筆者撮影)

 いよいよ2日後に迫った今シーズンのプロ野球開幕。これを前に、高津臣吾新監督の下で新たなスタートを切る東京ヤクルトスワローズの選手に期待される記録を、3回に分けて紹介する。今回は「その1」で取り上げた山田哲人以外の打者に関するものを集めた。

開幕前最後の2試合で、右に左に計3安打

 節目の通算記録、いわゆるマイルストーンで注目されるのが、坂口智隆(35歳)の通算1500安打である。2015年オフにオリックス・バファローズからヤクルトに移籍した坂口は、その後は3年連続で150安打以上を記録。2018年シーズン終了時点でプロ入りからの通算安打を1400まで積み上げていて、筆者は昨年の開幕前に公開した記事で「今季中の1500安打達成はほぼ確実だろう」と書いた。

 ところが開幕第3戦で左手に死球を受け、親指を骨折したことが尾を引き、昨年はわずか22試合の出場で8安打。通算1500安打まで残り92本として、2020年シーズンを迎えることになった。今春のオープン戦では12試合で打率.205だったが、6月2日から再開された練習試合では、最後の2試合で右に左に計3安打をマーク。高津監督に「(練習試合)終盤に来て(一番打者としての)役割を十分果たしてくれてますし、金曜日(の開幕)に向けて『一番・坂口』っていうのは明言していいと思います」と言わしめた。

 今年は開幕が大幅に遅れたため、例年よりも20試合以上少ない120試合制となるが、レギュラーとして試合に出続けることができれば、1500安打達成は十分に可能なはずだ。

雄平は「2014年並み」の量産なら1000安打達成も

 その坂口と同い年で、投手から野手に転向して11年目を迎える雄平(35歳)は、通算1000安打まであと142本。昨年は131試合の出場で122安打を放ったが、前述のとおり今季のプロ野球は120試合制。その中で今季中に達成するためには、ほぼフルに出場した上で、キャリアハイの173安打を放った2014年並みの量産ペースが求められる。

 なお、2003年のプロ入りから7年間は投手だった雄平は通算で18勝を挙げているが、NPB史上でも通算10勝&1000安打を達成しているのは、元読売ジャイアンツの川上哲治ら7人だけ。雄平が達成すれば、1950年の2リーグ分立後にプロ入りした選手としては、今年4月に他界した関根潤三(通算65勝&1137安打)に次いで2人目の快挙となる。

 また、今日で30歳の誕生日を迎えた中村悠平は、通算1000試合出場まであと「87」。昨年は123試合でマスクをかぶるなど126試合に出場しており、今シーズンは東北楽天ゴールデンイーグルスから経験も実績もある嶋基宏が移籍してきたとはいえ、正捕手としてこの記録は達成しておきたいところだろう。

 その他、今季ヤクルトの打者に達成の可能性がある主なマイルストーンは、以下のとおり。

山田哲人

通算1000試合出場(残り36、昨季142)

雄平

通算1000試合出場(残り75、昨季131)

嶋基宏

通算1500試合出場(残り98、昨季57)

通算1000安打(残り70、昨季23)

坂口智隆

通算1500試合出場(残り118、昨季22)

(文中敬称略)

「2020年ヤクルト注目の記録・その1」はこちら

「2020年ヤクルト注目の記録・その3」はこちら

フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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