藤井・美濃加茂市長の収賄事件の論点まとめ【本日起訴か?】
さて、今日(15日)に、勾留期限を迎える藤井浩人・美濃加茂市長の贈収賄事件。
逮捕・送検されて2度の勾留(証拠隠滅や逃亡の恐れがあるため、拘束して取り調べを行う事)延長をへて、今日期限を迎えます。検察が不起訴処分とするのか、それとも起訴→裁判といたるのか。
すでに、新聞各紙では起訴方針を地検は固めたと報じています。
▼論点はお金をもらったかどうか
贈収賄罪を構成するのに必要なポイントは以下の3点ですね。
1)公務員もしくは仲裁人であること
2)職務権限があること
3)依頼を受けて,賄賂の収受・要求・約束をする
市議として4月の2度の会食時に(2013年4月2日に10万円、同月25日に20万円…郷原弁護士ブログより)現金をもらい、市議として働きかけ、あるいはその後市長になり業者への便宜をはかり推進した…ということが容疑な訳ですよね。
1・2は満たしていますので、結局今回の論点は3。現金の収受があったか、が焦点な訳ですよね。プロジェクトを推進していた事は事実で間違いないようですから、金はもらわず本当によかれと思ったのか、それとも30万の収賄があってのことか。(あるいはより多くの今後の約束があったのか)
※
厳密に見れば、市議としての働きかけ(質問・担当部署への推薦)を職務権限と見るか、また市長立候補前の資金提供を事前収賄と見るか、は議論があると思います。ま、いずれにせよ政治資金規正法での寄付であれば、5万円以上なので個人からだとしても、報告義務はありますが。
すなわち、今回の藤井事件の論点は【お金をもらったかどうか】につきますね。
▼嘘はどっちがついている?
で、贈賄側の中林氏は、
1)贈賄を証言
2)いろんな資料にまぜて2回に分けてお金を渡している
3)同席者が不在のときに渡した
4)収賄があった日に、10、20万のそれぞれ金額銀行から引き出した記録がある
と証言している模様(これまでの複数の新聞報道より)
一方で、収賄側の藤井氏は
1)もらっていない
2)そもそも同席者は席を外していないし、金を渡すところを見ていない
3)うち1回はランチを1時間弱、ガストで、収賄などありえない環境
などと、完全否認。
とすると以下のいずれか。。
A. 中林氏がウソをついてい
B. 藤井氏がウソをついている
C. どっちもウソをついていない
(例えば資料の封筒に忍ばせて渡したが、藤井氏が気付かず捨てた…など)
藤井氏が嘘をつく、のはそりゃ収賄容疑を逃れたいから、でわかりやすい。
中林氏が嘘をつくのはありえるのか?と、疑問に思っていたところ、郷原弁護士は、他の詐欺事件などもあるため、検察の意図にそうような証言をしているのでは、と指摘。
▼公判を通じて、新証拠はあるのか。藤井氏は市長職をどうする?
これまで新聞各紙から報じられてきた情報は、取り調べを担当する警察・検察関係者から記者さんが引き出してきた情報がもと。(ということは、全体像が報じられたと言えるかわからない)また、公判に備えて、隠し球的な証拠を持っている可能性もある、と友人の新聞記者はコメント。公開の場での裁判でどのような議論がなされるのか、が注目される。
一方、仮に報道の通り起訴されれば、市長職を続けるのかどうか。
仮に起訴されれば、真実がどうか?という観点とともに、今後の市政運営についても論点となりますね。昨日開催された市長支持派の集会には、約800人が集まり会場外での立ち見がでるなど根強い支持者の存在も、大きなカギ。
引き続き、この事件には注目していきたいと思います。