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エンジェルスの新クローザーが自己最速を更新。チャップマンの105.1マイルには届かなかったが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ベン・ジョイス(左)とローガン・オホッピー Aug 20, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月20日、ベン・ジョイス(ロサンゼルス・エンジェルス)は、4点リードの9回裏に登板し、3人に対して計11球を投げ、試合を締めくくった。

 3人目のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)には、4シームを3球続けた。スタットキャストによると、それぞれの球速は、104.8マイル(約168.7km)、104.5マイル(約168.2km)、103.2マイル(約166.1km)。結果は、空振りと空振りとファウル・チップだ。最後の球も、ローガン・オホッピーのミットに収まった。

 8月に入ってから、エンジェルスが勝利を収めた7試合中5試合は、ジョイスが最後に投げている。この夏、エンジェルスは、クローザーのカルロス・エステベスとセットアッパーのルイス・ガルシアを、それぞれ、フィラデルフィア・フィリーズとボストン・レッドソックスへ放出した。また、昨オフに3年3300万ドルの契約で迎え入れたロバート・スティーブンソンは、シーズン序盤にトミー・ジョン手術を受けた。

 これまで、ジョイスの最速は、今月3日に記録した104.7マイル(約168.5km)だった。メジャーリーグ1年目の昨シーズンは、デビュー3登板目に投げた31球中2球の103.2マイル(約166.1km)が最も速かった。ウィットJr.に対する初球は、自己最速を更新した。

 今シーズンの全投手の全投球のなかで、ジョイスの104.8マイル(約168.7km)は、2番目の速さだ。今月7日にアロルディス・チャップマン(ピッツバーグ・パイレーツ)が記録した、シンカーによる105.1マイル(約169.1km)に次ぐ。

「36歳のチャップマンが105.1マイルを記録。今シーズンの全投手最速を更新する」

 チャップマンの105.1マイル(約169.1km)は、ゾーンを外れ、マニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)はバットを振らず、ボールとなった。ストライクに限ると、ジョイスの104.8マイル(約168.7km)が今シーズンの最速、ということになる。

 ジョイスは、チャップマンのように、多くの三振を奪うことはできていない。奪三振率は、昨シーズンが9.00、今シーズンは7.98だ。ただ、来月半ばに誕生日を迎えても、まだ24歳。昨シーズンと今シーズンを比べると、与四球率は8.10→4.30、防御率も5.40→2.45と下がっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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