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衆院選の比例代表で「民主党」と書かれた票はどうなる? #専門家のまとめ

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:ロイター/アフロ)

きょう投開票が行われる衆院選では、比例代表でともに略称を「民主党」と届け出ている立憲民主党と国民民主党がリストにあがっています。投票用紙に「民主党」と書かれていた場合、その票はどうなるでしょうか。参考となる記事をまとめました。

ココがポイント

「公選法には、複数政党が同一略称を使うことを禁じる規定がない」「有権者から『両党の政策は全く違うのに混乱を招く』と戸惑う声」
出典:産経新聞 2024/10/22(火)

「有効票が全く同じであれば(中略)1票は0.5票ずつ」「立憲が6割、国民が4割を占めていれば立憲に0.6票、国民に0.4票」
出典:まいどなニュース 2024/10/25(金)

「『立憲』『国民』と記載した場合は案分されず、有効票になる」「専門家は正確な名称で投票するように呼びかけている」
出典:中国新聞デジタル 2024/10/25(金)

エキスパートの補足・見解

公職選挙法の規定では、比例代表だけでなく、小選挙区選挙の場合も、例えば「藤原道長」「藤原頼通」という2名の候補者が立候補しており、投票用紙に「藤原」と書かれていた場合、それぞれの候補者の有効投票数に応じて案分されることになっています。

このほか、投票用紙に政党名や候補者名が省略して記載されていた場合、有効投票か否かは各開票所の責任者である「開票管理者」が立会人の意見を聞いて決定します。総務省はその目安として、例えば立憲民主党だと「立」「立憲」「立民」、国民民主党だと「国」「国民」といった記載を有効投票として取り扱うとしています。

ただ、政党の略称や候補者名が同じでも、政策は異なるわけで、自らの一票を選挙結果に確実に反映させるためには、フルネームで正確に記載して投票する必要があるでしょう。(了)

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

元特捜部主任検事の被疑者ノート

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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