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36歳のチャップマンが105.1マイルを記録。今シーズンの全投手最速を更新する

宇根夏樹ベースボール・ライター
アロルディス・チャップマン(ピッツバーグ・パイレーツ)Aug 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月7日、8回表に登板したアロルディス・チャップマン(ピッツバーグ・パイレーツ)は、打者5人に対し、計29球を投げた。与死球と被安打が1ずつながら、3三振を奪い、得点を許すことなく、イニングを終わらせた。

 5人目のマニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)に対して投げた6球は、スタットキャストによると、すべて100マイル(約160.9km)以上。最後の2球は、105.1マイル(約169.1km)と104.7マイル(約168.5km)を記録した。

 105.1マイルのシンカーは、右打者であるマチャドの内角低目に外れたが、104.7マイルのシンカーは、内角のやや低目のストライク・ゾーン内に位置し、マチャドは、見逃し三振を喫した。

 前日まで、今シーズンの最速は、今月3日にベン・ジョイス(ロサンゼルス・エンジェルス)が投げた104.7マイル(約168.5km)だった。

 チャップマンは、2010年にメジャーデビューした。2010~11年と2013~17年、2021年に、そのシーズンの全投手最速の投球を記録している。

 なかでも、2010年9月24日の105.8マイル(約170.3km)と2016年7月18日の105.7マイル(約170.1km)は、2008年以降の「ピッチ・トラッキング・エラ」における最速と2番目だ。

 チャップマンの105マイル(約169.0km)以上は、通算9球目。その他の投手の105マイル以上は、2018年5月20日にジョーダン・ヒックス(当時セントルイス・カーディナルス/現サンフランシスコ・ジャイアンツ)が記録した、105.0マイルの2球しかない。11球中9球がチャップマン、ということになる。

 8月7日の105.1マイルは、8年ぶりの105マイル以上だ。2018年のヒックスから数えても、6年ぶり。チャップマンの球速ランキングと全投手の球速ランキング(2008年以降)のどちらでも、5位タイに位置する。

 現在、チャップマンは36歳だ。

 今シーズンは、48登板の42.2イニングで奪三振率14.77と与四球率7.17、防御率3.59。2021年以降、与四球率が5.50を下回ったことはなく、6.07→6.94→5.55→7.17と推移している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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