新型コロナ感染「3つの密」をブチ破る窓開け(#Madoake)実践法
窓開け運動(#Madoake)じわじわ広がる
3月26日に書いた記事「窓を開けて世界を救おう!新型コロナウイルス集団感染を防ぐシンプルな方法」はお陰で好評で、提唱者の伊藤智雄さん(神戸大学教授)がメディアに取材されるなど、じわじわと賛同者が広がっている。
新型コロナウイルス感染の可能性を低くすることができる密集、密接、密閉の「3つの密」を避けることの重要性は政府も強調しているところで、ポスターも作られている。
窓を開けることは、安倍首相も記者会見で触れている。
Twitterのハッシュタグ#Madoakeでは、様々な方々が窓を開けることの重要性をツイートしている。ぜひ読者の皆さんも、窓を開けたとことなどを写真に撮って、その重要性を発信して欲しい。
しかし、窓をどれくらいの頻度でどう開ければ良いのか分からないといった声も聞く。窓開けの効果に対する疑問や、花粉症や寒さ(夏だと暑さ)、防犯など、窓を開けられないという声も聞く。
そこで、ここでは、こうした疑問に可能な限り答えてみたい。
窓開けが感染を防ぐ根拠
まず、窓を開けることがどの程度新型コロナウイルス感染を防ぐのか。
北海道大学の西浦博教授らの論文(査読前なので注意)では、屋外より密閉した環境の場合、新型コロナウイルスの感染率が19倍近く高くなるという。
前回記事でも紹介したように、コロナウイルス感染症のSARS(今回の新型コロナウイルスに近いコロナウイルス)が広がったベトナムの病院では、病室の窓を開けて感染を防いだ。
国立感染症研究所 感染症情報センターの「非流行期におけるSARS対応のガイドライン」は以下のように述べる。
しかし、新型コロナウイルスに関して、どの程度換気すれば良いのかというデータは現段階ではない。
窓開けの頻度
新型コロナウイルス感染を防ぐのに十分な換気をするための窓開けとはどの程度だろうか。
3月23日に、公益社団法人 空気調和・衛生工学会会長、田辺新一氏と、一般社団法人日本建築学会会長竹脇出氏の名前で談話が出でいる。
談話では、「換気をするだけで感染リスクを充分に低減できるという考えは避けて頂くことが望ましいことになります」としつつ、「最新の知見で 5μm 前後の飛沫、飛沫核はある時間空気中を漂うことが分かっています。これらによる感染リスク低減には換気は有効です」と述べる。
換気は効果があるのだ。では、換気するための窓開けはどの程度の頻度でやればいいのだろう。
窓の開け方は建物によりケースバイケースにならざるを得ないが、室内の空気が可能な限り入れ替わるようにすることが重要ということだ。
一つの窓を開けるより、風が通るように二つ以上の複数の窓を開けることも可能ならば行ってほしい。
3月31日追記
WHOはずっと窓やドアを開けた方が良いと言っている。
タクシーでの感染を避けるには?
最近は利用者が減っているが、タクシーの運転手が新型コロナウイルスに感染したケースが報告されている。
Yahoo!ニュース個人でも、自動車評論家の国沢光宏さんが記事を書かれている。
窓開け運動の提唱者、伊藤智雄さんは、発煙装置を用いてどのように窓を開けたら良いか実験を行った。すると…。
というわけで、タクシーは全部の窓を数センチ(2cm前後)開ける、後部座席真ん中には乗らないことを心がけてほしい。
バスや電車の場合はデータがないが、換気がしっかりしていない場合は、停車時のドアの開閉に加え、窓を少し開けて「ベルヌーイの定理」で中の空気を外に出すのが重要だと思う。
外からウイルスは入ってこないのか
窓を開けたら外からウイルスが入ってこないか心配する声も聞かれた。
ウイルスがごく微量飛んでくることが全くないとは言えない。しかし、心配する必要はない。
ウイルスや菌などが何個あれば感染が起こるのかは、種類によって違う。しかし、新型コロナウイルスは1個や2個程度で感染が起こるような強力なウイルスではない。もしそうなら、感染はもっと広がっているはずだ。
外から入ってくることより、室内でたくさんのウイルスを吸い込む方がよほど危ないということを理解してほしい。
暑さ寒さ花粉症、そして開かない窓対策
春になったとはいえ、東京でも雪が降るなどまだまだ寒い。花粉症もおさまっていない。
これに関しては、大変心苦しいが、今回はある程度我慢していただけたら幸いだ。
特に、夏の暑い時期まで感染が収束しない場合は、熱中症などの心配もある。
窓を開けた時の寒冷や花粉症への対策は、ぜひTwitterのハッシュタグ#Madoakeなどでお教えいただけたら幸いだ。花粉症対策には花粉を吸着するカーテンが有効だという。こうした情報を共有したい。
窓が開かない部屋には機械による換気も重要だ。
ビル等が機械換気を導入する時に補助金を出すなどするのも、経済刺激策の一つとして考えられるかもしれない。
繰り返しになるが、新型コロナウイルスは決して窓を開けるだけで防げるわけではない。窓を開けても密集、密接すれば感染の可能性はある。手洗いも重要だ。
けれど、この危機の中、少しでも感染を減らすために、手軽にできる窓開けをぜひ行ってほしい。