なぜ、沖縄は梅雨入りしないのか
沖縄の梅雨入りが遅れています。梅雨入りの平年日は5月10日頃ですが、今年はまだ梅雨入りしていません。
この一か月間、那覇の降水量は平年を上回り、梅雨らしい天気もありました。なぜ、梅雨入り発表がないのでしょう。関東地方(東京)の梅雨入りも遅くなるのでしょうか。
GWに走り梅雨
あす(20日・月)は二十四節気の小満です。昔から沖縄では小満から芒種(6/5)にかけての頃に大雨が多いといわれ、沖縄の言葉で小満芒種(スーマンボース)といいます。
最近一か月間の降水量をみると、九州から関東地方にかけての太平洋側や沖縄などで、平年を上回る降水量となっています。
那覇ではこの一か月間に平年の1.7倍にあたる314ミリの降水量がありました。その多くがゴールデンウイーク(GW)期間中の雨です。
その後、天気は回復し、晴れた日もありましたが、今月13日頃には雨が降りました。梅雨入り発表の機会がなかったわけではありません。
梅雨入り発表は5日間の中日
梅雨は季節現象です。この日から突然、夏が始まるわけではないのと同じで、本来の梅雨は5日間くらいかけて徐々に始まります。
そのため、梅雨入りの発表はその中日に行うとされていますが、早くても、遅くてもダメで、頃合いが難しい。年によっては後日、一週間程度見直されることがあります。
この先一か月の降水量予想によると、降水量が多くなる可能性がより高いのは沖縄・奄美、西日本太平洋側、東海地方です。湿った空気や前線の影響を受けやすく、いつもの年と比べて、くもりや雨の日が多くなる見通しです。
沖縄の梅雨入りが遅いと関東は?
最新の天気予報によれば、沖縄の梅雨入りは21日(火)にも発表されそうです。平年と比べて10日以上遅く、これまでの記録をみても、かなり遅いことがわかります。
来月は西日本や東日本などで梅雨入りの時期を迎えますが、沖縄の梅雨入りが遅いからといって、関東地方(東京)の梅雨入りが遅くなるわけではありません。
今月18日までの東京の降水量は平年の1.6倍にあたる114ミリとなっていて、いつもの年よりも雨が多くなっています。
梅雨入りの発表があってもなくても、雨は次第に強さを増していきます。雨の季節への備えは待ったなしです。
【参考資料】
沖縄の気候解説(琉球列島の気候風土)、沖縄気象台編集、1998
沖縄気象台:沖縄地方の梅雨に関する統計資料
気象庁:全般季節予報支援資料(1か月予報:5/18~6/17)、2024年5月16日
気象庁ホームページ:昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値)