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1900年以降4度しかない「兄弟対決のホームラン」中、最初の2度は弟が兄からメジャーリーグ初本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラッドリー・ジマー(クリーブランド・インディアンズ)Sep 1, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月27日、ブラッドリー・ジマー(クリーブランド・インディアンズ)は、カイル・ジマー(カンザスシティ・ロイヤルズ)からホームランを打った。2人は兄弟。ブラッドリーが弟、カイルが兄だ。メジャーリーグで対戦したのは、これが3度目。7月10日は三振、8月31日は四球だった。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、1900年以降、兄弟の対戦結果がホームランは、4度目だという。ジマー兄弟の前の3度を、打者と投手の順に並べると、1904年10月7日のジョージ・ストーバルジェシー・ストーバル、1933年7月19日のリック・フェレルウェス・フェレル、1976年5月29日のジョー・ニークロフィル・ニークロとなる。フェレル兄弟は、兄が弟からホームランを打った。他の3度は、兄が弟にホームランを打たれた。

 ストーバルの弟とニークロの弟は、兄からの1本が、どちらもメジャーリーグ初本塁打。自身も投手だったニークロの弟は、これしかホームランを打っていない。ストーバルの兄は、弟に喫した1本が、メジャーリーグ最後の被本塁打となった。ジマー兄弟のホームランは、弟の19本塁打目と兄の9被本塁打目だ。

 フェレルの兄が弟からホームランを打った試合では、弟もホームランを打っている(相手はハンク・ジョンソン)。4回表に弟が2ラン本塁打、4回裏に兄が3ラン本塁打を記録した。別のチームにいる兄弟がどちらもホームランを打った試合については、こちらで書いた。「兄弟が敵味方に分かれてホームランを打ち合った試合は、兄と弟のどちらが勝っている!?」

 フェレルの弟は投手だが、1176打数で38本のホームランを打った。捕手の兄は、6028打数で28本だ。また、フェレルの弟は、1931年に「二桁勝利&二桁本塁打」まで1本に迫った。こちらについては「ベーブ・ルースと大谷翔平の間に「シーズン二桁勝利&二桁本塁打」に迫った選手はいたのか」で書いた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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