オートバイのあれこれ『エンジンオイル交換の目安』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今回は『エンジンオイル交換の目安』をテーマにお話ししようと思います。
クルマと同様、バイクを乗り続けていくうえで欠かせないのが、エンジンオイルの定期的な交換です(2ストロークエンジン車は除く)。
普段バイクを楽しむ皆さんは、何を目安にエンジンオイルの交換を行っているでしょうか。
おそらく大多数の人は、距離もしくは日数で交換のタイミングを見ていることと思います。
一般的なのは、「3,000km〜5,000kmごとに交換」「半年ごとに交換」というものでしょう。
車両メーカーやオイルメーカーもこう謳っていることが多いです。
結論から言うと、この“走行距離”または“経過日数”による判断で全くノープロブレムなのですが、私がここで提案したいのが、“バイクの調子の変化”による判断です。
バイクライフを始めたばかりのビギナーの人にはなかなか分かりづらいかもしれませんが、バイクにそこそこ乗り慣れている人であれば、この判断の仕方もひとつ参考になるのではないかと。
エンジンオイルが劣化してくると、バイクの動作・様子に違和感が出てきます。
最も体感しやすいのが、シフトペダル(チェンジペダル)の動きの変化。
高頻度でペダルの動きが渋く(固く)なります。
特に信号待ちの時など、静止した状態での1速からN(ニュートラル)へのギヤチェンジが固い。
ギヤチェンジを一生懸命する間に、青信号に変わって徒労に終わる…なんてことがよく起こります(笑)。
大した問題ではないと言えばたしかにそうですが、ペダルをグリグリすることでムダに体力を使いますし、靴を痛めつけることにもなってしまいます。
また、固さ云々ではなく、N自体に入りにくくなったりもします。
他の違和感で言うと、エンジン音が大きく感じたり、エンジンからの熱気をいつも以上に感じたりします。
エンジンオイルはエンジン内の部品をスムーズに動かす潤滑作用に加え、エンジン内の気密を保つ密閉作用や燃焼室の温度を下げる冷却作用も担っています。
エンジンオイルが劣化してくると、当然これらの作用も弱まるので、エンジンがうるさくなったり、エンジンの温度が上がりやすくなるのです。
特に空冷エンジンの場合は構造がシンプルでエンジンオイルへの依存度が水冷エンジンよりも大きく、こうした変化が分かりやすいでしょう。
走行距離や日数と合わせ、ご自身の“違和感”というのも、ぜひオイル交換の目安にしてみてはいかがでしょうか。
まだ3,000km走っていなくても、まだ半年経っていなくても、違和感があるのなら、いっそのことオイルを替えちゃってもいいかもしれません。
《参考》
潤滑、清浄、密封・・・意外と知らないエンジンオイルの役割って?? (本田技研工業『HONDA GO』)