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消えた梅雨前線、東京で2日連続の猛暑日 もう梅雨は明けたのか#専門家のまとめ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
今月15日(海の日)までの天気予報、ウェザーマップ作画

 天気図から梅雨前線が消え、強烈な夏空が広がった日本列島。東京都心は5日(金)、最高気温が35.5度に達し、2日続けて猛暑日となりました。梅雨はどこへいってしまったのか。今後の雨と梅雨明けの見通しについてまとめました。

ココがポイント

▼この先1か月の降水量は梅雨前線の影響を受けて、全国的に平年を上回る予想

向こう1か月の天候の見通し 全国 (07/06~08/05)(気象庁)

▼再び、梅雨空が戻り、関東甲信地方などの梅雨明けは今月20日以降に

第2回「2024年梅雨明け予想」 梅雨明けはいつ? 日本気象協会発表(tenki.jp)

エキスパートの補足・見解

 この暑さとこの日差し、誰もが梅雨明けをイメージする夏空ですが、梅雨明け発表はありません(7月5日現在、梅雨が明けているのは沖縄と奄美のみ)。 

 関東甲信地方の梅雨明けは平年で7月19日頃です。きょう(5日)は夏の高気圧(太平洋高気圧)が日本列島に張り出したことで、晴れて、猛烈な暑さとなりました。

 もしもこのまま、夏の高気圧が日本列島に居座ったら、梅雨は戻ってこない可能性が高い。しかし、そうはならない可能性の方が高いです。

 こちらは梅雨前線の位置を予想した図です。梅雨前線は上空の強い西風=偏西風に対応します。赤線で示した偏西風の位置に注目してください。

【200hPa流線関数(5日間平均図)】上図は7/5~7/9、下図は7/10~7/14、ウェザーマップ作画、筆者加工
【200hPa流線関数(5日間平均図)】上図は7/5~7/9、下図は7/10~7/14、ウェザーマップ作画、筆者加工

 来週初め(7/9)にかけて、偏西風は北海道付近を流れる予想で、九州から関東地方にかけての広い範囲で晴れるでしょう。

 その後(7/10~14)は夏の高気圧が弱まり、偏西風は南下する見込みです。梅雨前線は本州付近に停滞し、くもりや雨の日が多くなりそうです。

 関東甲信地方の梅雨明けは今のところ、平年通りとなる可能性が高いと思っています。

【参考資料】

気象庁:全般季節予報支援資料 1か月予報(7月6日~8月5日)、2024年7月4日

気象庁:2週間気温予報解説資料、2024年7月5日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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