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「2人で住める部屋を探している」のにプロポーズしない彼とは別れました~おみおじリポート(122)~

大宮冬洋フリーライター
38歳。東京在住のITエンジニア。本気の婚活を始めています。(本人提供)

「波」があるのは景気や体調だけではありません。「結婚しやすさ」について

※2022年10月13日追記。紺野さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。紺野さんはお見合い申し込みをしてくれた男性とのやり取りが続いているようです。彼女の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 景気や体調、感染症の拡大と同じように、結婚のしやすさにも「波」があると僕は感じています。あれこれ婚活をしてもいい縁はまったく結べなかったり、そもそも結婚に気持ちが向かなかったり。逆に、ちょっと動いてみただけなのに良さそうな人と出会ってそのままサクッと婚約、なんていう時期もあります。自分の心身の状態に加え、家庭や仕事の環境、世の中の動きなどが複合的に影響を与えて波を作り出しているのでしょう。

 東京でITエンジニアとして働いている紺野里香さん(38歳)。西日本にある実家で暮らしていた頃、30歳になる直前になって周囲から小さな波が押し寄せてくるのを感じたと振り返ります。

「同級生がどんどん結婚し始めたからです。親が持ってきたお見合いをして、相手の転勤先について行こうかと迷ったこともあります。でも、『2人で住める部屋を探しています』とは言われたけれど、はっきりとプロポーズはされませんでした。そのまま彼は転勤してしまい、ご縁も切れてしまったのです。私自身、共同生活のイメージができていなかったのだと思います」

西日本で生まれ育った紺野さん。4年前に移り住んだ東京での生活を満喫中です。(本人提供)
西日本で生まれ育った紺野さん。4年前に移り住んだ東京での生活を満喫中です。(本人提供)

上京して2年目にコロナ禍でテレワーク生活へ。孤独感はありません

 お見合い結婚には至らなかった思い出を語ってくれる紺野さん。微笑みながらも淡々としています。マチコ先生はさっそく何か言いたいようですが、その前に紺野さんの話を聞きましょう。

「妹は結婚して、実家の近くに住んでくれています。子どもも生まれ、両親は大喜びです。『もしかして私、出ていっていいのかも』と思いました。親孝行をしてくれた妹には感謝してもし切れません(笑)」

 一人で生きていくことも想定して、給料を上げるために転職し、4年前に上京した紺野さん。仕事にも生活にも不満はないとのこと。

「コロナ禍になってからは基本的にテレワークです。この2年間、ほとんど出社せずに自宅で働いています。友だちに会いにくいのは想定外ですけど、孤独感はないし悠々自適に暮らせています。私は家事も好きなほうで、特に掃除をして部屋がきれいになるのはいい気分。毎朝、軽く掃除機をかけると『さ、仕事しよ』という気持ちになれます」

 紺野さんは公私ともに能力が高く、自立心もある女性なのだと感じます。東京での生活基盤も整っていました。そんな紺野さんの気持ちを再び結婚へと向かわせたのはやはりコロナでした。

「家族以外には会いにくい状況で、家族って何だろうと考えることが増えました。行きついたのは、やっぱり一人は寂しいなという気持ちです。毎日、いろいろなことを共有する相手がいたほうが生活はきっと楽しいですよね。私は食べ物の好き嫌いがなく、美味しいものを食べることが大好きなので、一緒に食べて『美味しいね』といえる相手が欲しいです」

街歩きに飽きることがないのも紺野さんが東京を気に入っている理由の一つ。「美味しいたい焼き目指して歩くのも散歩の楽しみです」(本人提供)
街歩きに飽きることがないのも紺野さんが東京を気に入っている理由の一つ。「美味しいたい焼き目指して歩くのも散歩の楽しみです」(本人提供)

お見合いに期待し過ぎない。「どこかしらおかしなところがある」と思っておく

 健康的な色気を漂わせる紺野さん。経済的にも自立していて、コミュニケーション能力も高くて、相手に求める数字的な条件は「体重が多すぎたり少なすぎたりしないこと」程度です。

「お互いに当たり前なことに感謝できる関係でありたいです。友人夫妻の家に遊びに行ったとき、旦那さんが家事を『手伝っている』と表現したときは違和感を覚えました。共働きなんだから男性も家事をして当然なのに……」

 ここでマチコ先生からアドバイスがあります。特にアラフォー女性の場合は、お見合い相手の男性は必ず「どこかしらおかしなところがある」と思っておくべき、という点です。

「言い方なんてあまり気にしないことです。『手伝ってくれて本当にありがとう。助かる~!』とうまく操縦して、家事の大半を相手にやってもらっている既婚女性もいます」

 これは30代以上の多くの日本人女性が感じることではないでしょうか。もっと若い世代と違って、この世代は「会社員の夫と専業主婦の妻」という役割分担の両親のもとで育った人が少なくありません。その影響で、共働きであっても悪気なく家事を「手伝う」と言ってしまうのです。

紺野さん自作の「簡単パン」。「朝こねて、お昼に焼けるのはテレワークの隙間時間の恩恵です」(本人提供)
紺野さん自作の「簡単パン」。「朝こねて、お昼に焼けるのはテレワークの隙間時間の恩恵です」(本人提供)

清潔感と礼儀正しさ、積極性は結婚してからでも徐々に改善可能です

「ちゃんと仕事をしていて、誠実で、清潔感があって、礼儀正しくて、ほどよく積極的。そんな独身男性は残っていないし、いたとしてもアラサー女性との厳しい戦いになると思ってください。減点方式で相手を見ないこと。これが鉄則です」

 マチコ先生が挙げたポイントのうち、清潔感と礼儀正しさ、積極性の3点は結婚してからでも徐々に改善が可能です。僕たち日本人男性の場合、こうした点については適切な教育を受ける機会が少ないからです。

 笑いながら僕たちの話を聞いていた紺野さん。でも、「減点方式」というマチコ先生の言葉に顔が引き締まりました。どうやら思い当たる節があるようです。企業組織で本気で働いていると、人を見るときの基準点が上がってしまいがちなのでしょう。

 でも、生活のパートナー選びにはまた違った基準があるのだと紺野さんは気づきつつあります。ちょっとぐらい不器用で言葉足らずでも、誠実で心温かい人と一緒にいたいものですよね。聡明さや社交性は紺野さんが楽しく補ってあげられるような男性を探したいと思っています。

スペインにて。海外旅行好きの紺野さんは、「他のことでは他人に譲りますので、私のほうがスペイン好きであることは譲ってください(笑)」とのことです。(本人提供)
スペインにて。海外旅行好きの紺野さんは、「他のことでは他人に譲りますので、私のほうがスペイン好きであることは譲ってください(笑)」とのことです。(本人提供)

※文中のオネット会員は仮名です。紺野さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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